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「先ずはパンを作りましょう!強力粉と小麦粉、バターに砂糖と水と塩後はドライイーストだけで大丈夫です」
リリアナが材料を混ぜながら捏ねていく
「なんか…リリアナって力がねぇな…貸してみな」
シシオが変わってベッタン、ベッタンと音を鳴らして捏ねていくと…
「凄い!あっという間に混ざりました!さすが先輩ですね!」
リリアナに褒められて悪い気がしないシシオは…
「まぁな…力ならあるから…」
リリアナは楽しそうに料理を作っていた。
料理の準備を終えると、テーブルを拭いて乱れたテーブルと椅子を直していると…
「何してるんだ?」
ガルムが声をかける…
「テーブルを綺麗にしてるんですよ」
「そんな事をしてもアイツらが食べに来ればまた汚れるぞ」
ガルムは、無駄な事だと言うと
「でも…せっかくみんなと作った料理ですから少しでも美味しく食べてもらいたいです…」
リリアナは片づける手を止めずにガルムに笑いかけると…
ガルムが黙って手伝いだした…リリアナは何も言わずにただ…嬉しそうに笑っていた…。
夕食の時間が近づくと…食堂の外が騒がしくなる。
「皆さんもう来ているみたいですね」
リリアナが時計を見ると、夕食時間の15分前になっていた…。
「いつもならこんなに早く集まらねぇよ、きっと朝飯が美味かったからだろうな」
シシオが何だか嬉しそうに言うと…
「夕食を食ったらさらにびっくりするぜ!」
「ああ!すげぇ美味かった」
ガルムもルーダも味見を思い出しヨダレが出そうになる、その様子に
「皆さんが気に入ってくれて嬉しいです!」
「うるさくてかなわんなぁ…ルーダ!少し早いが扉を開けてこい!早いとこ用意しちまおう」
「へい!」
ルーダが行こうとすると…
「ルーダさん私が行きますよ!」
外に出るのに近かったリリアナが扉に向かった…
「おっ!悪ぃな、頼むぜ」
ルーダがリリアナに手をあげると…
「はーい!」
リリアナは…今にも開きそうな扉の取手に手をかけた…。