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「一体なんの騒ぎですか?」


冷たい冷気と共に…背筋が凍りつくような冷たい声が響くと…


「ハク様だ…」


「なんでハク様が食堂なんかに…」


魔族達がコソコソと話をしていると…


「小娘!お前か?騒ぎの原因は?」


ハクがリリアナを睨みつけると…


「す、すみませんでした」


リリアナがペコッと頭を下げる。


「シュカ…こいつはどうだった?使えないようならたたき出してもいいが…」


ハクが笑いながらシュカに聞くと…


「恐れながらハク様、この子…リリアナはとっても使える奴でした!出来ならずっとここで手伝いをしてもらいたいです!」


「…なんだと?」


ハクがガルム達を見ると…


「俺も同じ気持ちです…こいつの料理をもっと一緒に作りたいです…」


「「俺達も…」」


シシオとルーダも頷くと…


「ふんっ!」


ハクは顔を歪めると身を翻し食堂を出ていってしまった…。


ガルム達はハク様が見えなくなると…ドサッと腰を落とす…。


「せ、先輩!大丈夫ですか?」


リリアナが三人に駆け寄ると…


「こ、怖かった…」


「氷漬けにされるかと思った…」


「皮を剥がれるかと…」


三人がカタカタ震えていると…リリアナが手を掴む…


「一緒に働く事を許して下さって…ありがとうございます、私皆さんと料理…作りたいです」


リリアナが素直な気持ちを伝えると…三人をじっと見つめる…。


三人は


「「「おお…」」」


頬を赤らめ嬉しそうに頷いた…リリアナの手を握り返そうとすると…パッと温もりが離れていく…。


「あれ?」


リリアナはシュカの元に向かうと…


「シュカさんもありがとうございます!頑張ってお仕事覚えますからよろしくお願いします!」


ペコッと頭を下げた。


「今日からお前も調理部の一員だ、困ったらブラッド様だけでなく俺達も頼れよ」


「はい!」


リリアナは自分の場所が出来たような…不思議な感じに胸の奥が温かくなった…。



「よし!じゃあ夕飯の準備だ!今日はリリアナが仲間になった記念だ、リリアナ何が作りたい?」


シュカが優しい顔で聞くと…


「じゃあ…パンとビーフシチューはどうでしょう?」


「「「えっ?パン?」」」


「そんなんでいいのか?」


意外なメニューに三人とシュカが聞き返すと…


「パンは手作りなんですよ…ふわふわに焼き上げて…シチューはお肉たっぷり野菜がゴロゴロの赤いトロトロシチューです」


リリアナが笑うと…


「なんか…聞くだけで美味そうだ…」


「いっぱい作っとこうぜ!」


「ジュルル…」


三人の反応にクスッと笑うと…


「ブラッドとの思い出の料理なんです…」


リリアナの嬉しそうな様子に三人は複雑な思いでいた…。









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