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「ブラッド?」
「ブラッド様?」
二人が驚いてブラッドをみつめると…
【シュカ…リリアナを閉じ込めてどうする気なんだ…】
ブラッドが今にも襲い掛かりそうになりながらシュカを睨みつける…
「えっ…小娘…リリアナと…別に話を…」
「ブラッド!シュカさんとは話をしてただけよ、なんでそんなに怒ってるの?扉まで壊して!」
リリアナがブラッドの態度に声を大にすると…
【あれ…?いや…鳥頭がリリアナがシュカに連れてかれて大変だって…】
「昔の共通の知り合いがいて話してたのよ」
リリアナがシュカの前に立つとブラッドを注意する。
「ブラッド!心配してくれるのは嬉しいけどそんなに全部面倒見なくてもいいのよ…私なら大丈夫だから…」
ね…っとブラッドの頭を優しく撫でると…
【すまなかったな…シュカ…リリアナをよろしく頼むぞ…】
「えっ!ブ、ブラッド様が謝った…」
信じられないと目を真ん丸にしていると…
【扉は後で直しておくように言っておく…】
ブラッドが寂しそうに帰ろうとすると…
「ブラッド…ありがとう」
リリアナが笑顔で手を振ると…
【また…夜にでも逢いに行く…】
「うん!待ってるね」
リリアナの嬉しそうな顔に、ブラッドはホッとすると闇へと消えて行った…。
「小娘…いや…リリアナ…凄いな…お前」
「えっ…何がですか?」
「いや…ブラッド様にあんな口がきけるのは数人くらいだぞ…」
「ブラッド…そんなに偉いんだ…どうしよう…私もブラッド様って呼んだ方がいいのかな?」
「……リリアナは少し…いや大分ズレてるな…」
はぁ…とため息をつくと…
「旦那…」
ルーダが壊れた扉から顔を出すと…
「あっ…お前無事だったのか…」
リリアナの元気そうな姿にホッとすると…
「リリアナとは話をしてただけだ!全くお前がブラッド様に余計なことを言うからこの有様だぞ!」
シュカがルーダの頭をゴツンと殴ると…
「いってぇ…」
「さぁ…リリアナといって食事の準備をしろ!」
「「えっ?」」
リリアナとルーダがシュカを見ると…
「あの美味い飯をみんなに出してやれ!」
「「はい!」」
リリアナはルーダと顔を見合わせると嬉しそうに食事の準備に向かった…。