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「お前…この料理はどうやって作った?お前のオリジナルか?」


シュカはリリアナ前に立ち見下ろしながら聞くと…


「この料理は…私の家にいた料理人さんに習いました…その人から教わった料理です…」


「料理人…!?」


シュカの顔色が変わる…


「あの…美味しくなかったですか?私の家ではあのスープが一番人気で料理人さんの得意料理だったんです」


シュカが何か考え込みながら、リリアナをみつめる…。


「その人はどうしたんだ?まだいるのか?」


シュカの思わぬ質問にリリアナは悲しげな表情をみせる…。


「私の家…お父様とお母様が昔に亡くなって…その料理人さんはブルーノさんって言うんですが…ブルーノさんはその頃からずっと家に仕えててくれていました…お父様達が亡くなって他の働いていた人達が家を出るなか…ずっと居てくれました」


シュカが料理人の名前に反応する…


「ブルーノ…」


「ブルーノさんから料理を教えて貰う時間が楽しみで…」


「それで?その人は?」


「私が…13歳の時に亡くなりました…」


「そうか…」


シュカが残念そうな顔をすると…


「ブルーノさんの料理って本当に全部美味しくて!上手で!シュカさんも習いたかったんですか?」


「いや…まぁそうだな…確かにあのスープ…美味かった…」


「ブルーノさんは亡くなってしまいましたが…確か…ブルーノさんに弟さんがいましたよ?もしかしたらその人ならブルーノさんみたく料理人になってるかも…」


「えっ?弟…?」


「ええ…名前…なんだったかな…よく話してくれたのに…確か…」


「レッド…」


「えっ?あっ!そうです!レッドさん!ブルーノさんが青でレッドさんが赤!それで青さん赤さんって呼ばれてたって…なんでシュカさんが知ってるんですか?」


「青兄…」


シュカの瞳からポロっと雫が落ちる…


「シャカさん?」


「青兄…いやブルーノさんは…弟の事なんて言ってたんだ…?」


シュカさんが泣きながら聞いてくる…リリアナは真剣な顔で向き合うと…


「自慢の弟だったって…そう言ってましたよレッドさん…」


「うっ…ぅぅぅ…青にぃぃ…」


シュカは大きな体を小さく震わせ泣き崩れた…



ひと泣きして、シュカが落ち着くと…シュカさんがブルーノさんとの事を話してくれる…。


「俺はな…人の血が少し混ざってるんだ…」


シュカの一大決心の告白に…


「へー…見えませんね!」


リリアナが軽く答える…。


「はっ?混ざってるんだぞ?嫌じゃないのか?」


「えっ?混ざってるとなんか不味いんですか?病気を引き起こすとか?」


「いや…もういいや…とりあえずこの事は秘密だぞ!知ってるのはルシファー様だけだからな!」


「はい!」


「それでな母親が青兄とは一緒で…よく面倒を見てくれていたんだ…俺が母親を殺したのによ…」


リリアナは黙ってシュカの話を聞く…


「俺を産んだら直ぐに母親は死んじまった…まだそんなに大きくなかった青兄は必死で俺を育ててくれたんだ…だが…成長するにつれて俺の体はどんどん大きくなって…周りからは恐れられていた…俺も薄々普通じゃないんだって感じていたんだが…青兄は変わらず面倒見てくれたよ」


「ブルーノさんらしいです…」


リリアナが優しく微笑んだ…。



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