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リリアナはガルムが取ってきてくれたトマトの皮を向くと賽の目に切って鍋に入れていく…ルーダ達に好きに味付けをしていいと言われて、自分なりの味付けにすると…


「うん!この味!」


味見をすると納得する味に仕上がっていた。


「皆さんどうですかね?」


三人にも味見をしてもらうと…


「美味い!」


「辛くない」


「赤い!」


三人の大声にシュカがうるさいと怒鳴り込んでくると…


「あっ!赤鬼の旦那!これ食べて見て下さいよ!」


ルーダがフレンチトーストにイチゴジャムをかけて持って行くと…


「なんだこりゃ?いつものメニューはどうした?」


「いや…こいつが結構料理上手くて…」


シュカは顔を歪めてフレンチトーストをみつめる…


「旦那、赤いし…ちょっと食べてみて下さいよ」


皆に促され、シュカが仕方なく大きな口に運ぶと…


「……」


言葉を失う…


「あれ?旦那?」


美味くなかったのか?皆が首を傾げる中…


「旦那…じゃこっちのスープは?」


恐る恐るシシオがスープを差し出すと…ひったくるように掴んで一口で飲み干す…。


「これは…お前が作ったのか?」


シュカがリリアナを睨みつけると…


「は、はい!」


「ちょっと、来い!!」


シュカはリリアナの腕を掴むと、部屋の奥へと連れて行ってしまった…


バタン!ガチャ…


シュカの部屋に入ると鍵をかけられる…


「「「……やべぇ…」」」」


三人は顔を見合わせる…


「どうする?旦那怒ってたのか?」


「勝手したから…だよな…」


「確かに…あいつが作ったけど…作らせたの俺らだよな…」


三人は言葉を無くす…


「で、でもあいつブラッド様のお気に入りみたいだし…旦那も酷いことはしないだろ…」


シシオがあははと元気なく笑うと…


「折角、美味い料理が出来たと思ったんだけどな…」


ガルムがガックリとする…


「…」


ルーダはリリアナに手当てされた腕を撫でると…


「俺…ブラッド様に知らせてくる…」


ルーダの発言に二人が驚くと…


「やめとけよ…お前さっき怒られたばっかりだろ…」


「ああ…相手にされないよ」


グッ!


先程向けられた冷たい瞳を思い出し…体が震える…


「…でも…このままじゃあいつ…旦那に…」


ルーダは覚悟を決めると厨房を飛び出して行った…。


「どうしたんだ?あいつ…」


「さぁ…」


二人はどうする事も出来ずに呆然と立ち尽くしていた…。

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