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ルーダはゾクッする悪寒にリリアナを突き飛ばすと…暗闇がリリアナを支えた。


「ブラッド…」


ブラッドは掴まれていたリリアナの腕をさすると…うっすらと痣が出来ていた…。


「お前は昨日の事を忘れたのか…」


「い、いえ!ま、まだ食べてません!ちゃんと金を稼がせてからにします!」


「食べる?」


「ただ…ちょっとだけ味見を…そいつ…凄い美味いですね…ブラッドさんの残りでいいんで…少しくれませんか?」


「お前…リリアナを味見したのか?」


ブラッドから表情が無くなる…


「いや…本当にちょっとですよ!そいつ指を切ったから…ちょっと舐めさせてもらっただけ…で…」


喋る度に広がる闇にルーダがブルブルと震え出す…。


「リリアナを舐めた…」


「あっ…いや…」


「死ね…」


ブラッドが手をゆっくりと上げると…それと一緒に黒いモヤがルーダをゆっくりと締め上げる…


「グッ…ガッ…」


ルーダの骨が軋む音がすると…


「ブラッド!待って!」


リリアナがブラッドの腕を掴んだ、その途端バタンとルーダが床に落ちる…。


「ブラッド…大丈夫だから!ルーダさんは怪我を心配してくれたんだよ!ね!そうですよね?」


ルーダはコクコクと頷くと…


ブラッドがリリアナの指先を掴む…


「この指か?」


「えっ?」


「この指を舐められたのか?」


「う、うん」


うっすらと切り傷が残る指をブラッドが優しく洗うと…丁寧に拭いていく。


その仕草にリリアナは戸惑っていると…ブラッドがリリアナの指を優しく口に運びキスをする。


「えっ?ブラッド?」


リリアナが驚き固まると…ブラッドはそのまま指を舌で絡め取る…リリアナを見つめながら…。


リリアナの頬がみるみる赤くなると…音を立てて離した…。


「消毒しておいた…」


リリアナがパクパクと口を動かしていると…座り込んでいるルーダを掴み持ち上げる…


「いいか…リリアナは俺のものだ次にまた手を出してみろ…骨も残さずに溶かしてやるからな…」


リリアナに聞こえないようにルーダの耳元で呟くと…ルーダがコクコクと頷く。


その様子にドンとルーダを放り投げると…


「指の手当に行こう…」


ブラッドは呆然と指先を見つめるリリアナを抱き上げると部屋を出ていった…。

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