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ブラッドに手を引かれながら城の中に入ろうとすると…


「ブ、ブラッド!ここから入るの?ちゃんと門から入らなくていいの?」


リリアナの家は何故か城の中にある庭園の端に建てられていた…。


「いいんだ、リリアナはもう城のに住んでいるのと一緒だ、この一番近い道をまっすぐ来て城に入ればいい」


「確認とか無いの?」


「無い」


キッパリと言われると、そういうものなのかと首を傾げながらついて行く…。


「ここを入って右に行くと正門に出る、右に行けば食堂があるからな…」


「食堂!食堂があるの!?」


リリアナが顔を輝かせる!


「うっ…寄ってみるか?」


戸惑った顔を見せながらもリリアナの喜んだ顔に負けて案内する…が扉の前で止まると…


「いいか…リリアナ絶対に俺の側を離れるなよ!魔族には人間を嫌う奴も多いからな」


「うん…わかった」


リリアナはブラッドの服をちょこんと掴んだ


「ちゃんとブラッドに掴まっておくね!これなら大丈夫でしょ?」


「……!」


「ブラッド?」


ブラッドがパクパクと口を動かすが…言葉が出てこない…


(他意は無いのはわかるが…これは…)


ブラッドは口を押さえて下を向き、リリアナを見つめると…リリアナは困った顔で首を傾げる…


「リリアナ…他の奴にはこういう事はしては駄目だ…」


「こういう事って?あっ!知らない人について行くなって事?もちろんよ!ブラッドだから信用してるに決まってるじゃない!」


「ぐっ!……はぁ…そう言う事も軽々しく言っては駄目だ…」


「えっ?軽々しくなんて言ってないわ、ちゃんとブラッドの事を知ってるから言ったのよ?」


ブラッドが何を言いたいのかわからずにリリアナは頭を捻っていた…。


(やばい!無自覚とは恐ろしい…これは早いところリリアナに解らせておかないと…)


ブラッドは嬉しい反面、リリアナの素直な気持ちに不安になる…どう話そうかと悩んでいると…。


固まってしまったブラッドをリリアナがつんつんと突くと


ハッ!


と我に返った。


「ブラッド…早く行こうよ…私ちゃんと言う事聞けるよ!ブラッドは知ってるでしょ?」


リリアナがブラッドをしたから覗き込むと…


「ああ…そうだな…わかってる…」


(まぁ…おいおい教えて行けばいいだろう…今は自由になった事を楽しませてあげられればいい…)


ブラッドはリリアナに微笑むと、食堂の扉をゆっくりと開いた…。


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