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二人の亡骸が砂のように崩れると…そこには二人の子供が生まれていた。


頭にネズミの耳を付けチョロっと動く尻尾が見える。


「リード、ナッツ」


ブラッドが声をかけると二人の瞳がパチッと開く。


「どうだ?体の具合は?」


「ブラッド様ファイ様…ありがとうございます。これで…やっとリリアナを助ける事が出来ます」


「俺達の体だ!これでリリアナとも喋れる!」


「お前達は先にリリアナの側に行ってろ…俺達はこいつの始末をしていく」


そう言ってビーズを睨みつける。


「う、ゔゔぅぅ…」


ビーズが刺された腹を押さえてうずくまる…血が止まらない…刺された腹が熱い…なんでこんな目に…


「リリアナ…あの子のせいか…」


ビーズが最後の言葉を絞り出すと…


その場の全員が反応する…


「こいつ…」


「まだ言うか…」


「ブラッド様…こいつは俺達がやりましょうか?」


リードがビーズを見ると…


「俺達の仲間が腹を空かせているんです!そこにこいつを置いてきます」


「そいつはいいな!こいつらに殺された仲間が沢山いる!きっとじわじわと長い間大事に食べてくれるんじゃないか?」


ナッツもニヤリと笑うと…


「嫌だ…ネズミの餌になるなんて…」


「きっとまずは傷口からだね、内臓に入れる穴を開けたら中から食べていってくれるよ。後は…目玉なんかも柔らかいから人気じゃないかな」


「そうだな!耳なんかも出てるから食べやすいよな、指は別れてるから喧嘩しないで食べれるよ」


リードとナッツの話を聞いて…ビーズが首を振る。


「嫌だ!嫌だ!嫌だ!嫌だ!…」


動けないビーズの体の下に水溜まりができる…


「うわぁ…こいつ…漏らしたよ」


ファイが軽蔑の眼差しを送ると…


「あ、ははは…あは…ははは…」


ビーズが笑いだす…


「あれ?壊れちゃった」


ファイが顔を覗き込むがビーズの視点が定まらない…。


「どうする?」


ファイがブラッドを見ると…


「現実から逃げようとする事など許すものか…」


ブラッドがビーズに向かって吠えると…ビーズがビクッと体を震わせる…。


「えっ?」


ビーズが意識を取り戻すと…


「お前はもう逃げ道なんて無いんだよ…」


ビーズは絶望感に襲われて叫び出す…


「いやぁーなんで!なんであのままにしてくれない!ネズミの餌になるくらいならいっそひと思いに殺して!」


「…ふーん…」


ブラッドはポッケットから何かを取り出すと大口を開けて叫んでるビーズの口にほおり投げた。


「ウグゥッ!」


ゴクン…。


ビーズは何かを飲み込んだ…。


ブラッドはリード達に耳打ちをすると…二人がクスクスと笑い出す…。


「リード、ナッツこいつをネズミ達の巣に捨ててこい」


ブラッドが身を翻すと


「「はい!」」


リードとナッツはビーズの体を掴むと、引きずりながら飛び出して行った…。



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