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「「ぎゃー!」」


モスとビルデが叫ぶと、真っ黒い獣がゆっくりと近づいてくる…


モス達は母親を盾に後ろに逃げようとすると…


「た、助けて…ブラッド…さん…」


ビルデが声を絞り出し、助けを呼ぼうとすると…目の前の獣が人型に姿を変えた…。


「呼んだか?」


冷たい金色の瞳がビルデを睨みつけると


「ば、化け物…」


恐ろしい形相でブラッドを見つめる。


「お前らの方が化け物だろうが」


そう言って鏡を指さすと…三人が恐る恐るそちらを見る。


そこには体が爛れて溶け始めている自分の姿があった…


「きゃー!」


「わ、私の顔がー!」


「と、溶けてく…」


顔が落ちないように押さえると


「な、なんで…」


「よかったなぁ…どんどん痩せこけていってるぞ」


ブラッドがよかったなぁと笑いかけると…


「痩せる?」


「これの何処が痩せてるって言うの!」


「お前らが望んだ事だろうが!」


モス達が顔を覆い込んで泣き出すと…


「泣くのはいいけど…そんな事したらどんどん顔が崩れるよ」


ファイが心配そうに覗き込むと…


「ファ、ファイさん…助けて…」


「なんで?」


心底意味が分からないと顔を歪めると…


「だって…あなたは人間でしょ?この化け物とは違うわよね?」


縋るようにファイを見つめる…


「それってブラッドの事?彼が化け物なら…僕はなんだろうね?」


そう言ってみるみる姿を変えていく…そこには冷気に包まれたブラッドよりも大きな姿の怪鳥が現れた…。


「ひぃー」


モスが腰を抜かすと…


「それで?どう助けて欲しい…」


ファイが息を吐くと冷たい息吹がモスを襲う…


「さ、寒い…」


体を震わせる。


「や、やだ…助けて…なんでもするから…」


ビルデがドロドロに溶けた顔で泣きなが懇願すると…


「私も!私もなんでもする!だから…」


モスも手をついて頭を下げると…


「どう助けて欲しいんだ?」


ブラッドの言葉に顔をあげると


「この顔!この顔をどうにかして!こんなんじゃ生きていけない…」


「なら…そこの母親を殺せ…」


ブラッドがビースを指さすとビクっと体を震わせる。


「あ、あなた達…そんな事なんてしないわよね?」


ビースが娘達を見つめると…モスが目を逸らした…


「ビルデ!ビルデはそんな恐ろしい事出来ないわよね?」


「お母様なら…どうする?」


ビルデが覚悟を決めたように母親を見つめると…


「なんて…娘達なの…いえ…もうあなた達なんて娘じゃないわ!」


そう言うと近くにあった拷問器具を掴んで構える…


「お、お母様…?」


「殺されるくらいなら…殺してやるわ!」


躊躇なく金属の棒をビルデに向かって振り下ろす


ガキンッ!


ビルデが避けるが腕に当たり、骨が折れる音が響く…


「ギィヤァー!いだぁいー!」


ビルデが腕を抑えてのたうち回る…


「し、信じられない…私達…娘よ!」


「先に裏切ったのはあなた達でしょ…あなた達を殺して…助かるのは私よ!」


ビースはモスに向かって器具を振り上げると…


「死ねぇー!」


ビルデが折れていない腕で細長い針状の器具を掴んでビースに突っ込んだ!


「なっ!」


ビルデが倒れながら離れると…ビースの体に器具が貫通している…傷口からじわじわと赤いシミが広がっていった…

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