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「お母様、ブラッドさん達はまだかしら?」


部屋で待たされているビーズ達がソワソワと待っていると…


「ねぇ…隣の部屋を覗いて見ない…」


モスが閉じられた扉の前に立つ。


「そうね…先程は見れなかったし…」


そう言って扉に手をかけると…強く押し開いた…。


「…」


「…」


「…これは…」


言葉を無くす三人の前には…暗い部屋に数々の拷問器具が並んでいた…。


「これって…何かしら…」


何に使うのかも分からないような器具に思考が停止する…


器具から放たれる禍々しい気にただならぬ気配を感じる…


「なんか…あんまり気持ちのいいものじゃ無いわね…」


ペンチの先がギザギザになっているものや…何かを繰り出すような物…細いどこに刺すのかも分からないような器具がズラっと並んでいる…。


「これって…血かしら…」


うっすらと赤黒く汚れている机を見ていると…


バタンッ!


扉が閉まった。


「「きゃっ!」」


「フ、ファイさん?」


扉の前にはいつもの笑顔を浮かべるファイが立っている…。


「あ、あの…この部屋って?」


「あーこの部屋ですか?前の持ち主が使ってた部屋みたいですね…こんな屋敷しか空いてなくて…」


三人が何を言っているのか分からずに不安そうな顔を浮かべると…


「急遽、使える屋敷を探してたもので…どうやら前の持ち主は拷問が趣味だったみたいですね…全く人間て奴はろくなのがいない…」


心底嫌そうに答えると


「ルシファー様が魔力で装いを変えていたんだ…こんな風にね」


そう言って後ろの扉を開くと…そこは先程までは豪華な部屋だったのに見る影もない程に荒れ果てていた…。


「そこって…さっきまで…私達がいた…」


「そうですよ」


ファイがニッコリと笑うと…


三人がジリジリと後ろに下がる…。


「一体どういう事ですの?ルシファー様は?説明してください!」


「ルシファー様がもうお前達に会うわけがないだろう!」


ファイの瞳が青く光る…


「ひぃ!」


「ルシファー様は私達魔族の王だ…お前達が会う事など本来なら有り得ない!」


「な、なら、なんで…」


「私達の事が愛しいとおっしゃってたわ!」


ビーズが信じられないと声をあげると…


「それはお前達の事では無い」


ファイの冷たい瞳が三人を貫く…


「もしかして…」


ビーズが顔を歪めると…


「なんなの?お母様!何か知ってるの?」


「リリアナ…」


ファイの表情がリリアナの名前を聞いて少し和らぐと…


「やっぱりあの女!疫病神だわ!」


忌々しい!とビーズが叫ぶと…


「これ以上リリアナを貶すことは許さない…」


ファイの影から声が聞こえると…真っ黒い獣が姿を現した。




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