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「先生…なんだ?」


ブラッドは廊下で待つリリアナを気にしながら先生に声をかけると


「ブラッド…いいから座れ!」


ソワソワしているブラッドを椅子に座らせると


「今連れてきたあの子だがな…やっぱり病にかかっておった」


先生の言葉にブラッドは立ち上がる!


「リリアナが病気…」


愕然としていると…


「慌てるな!話を最後まで聞かないか!」


ブラッドを無理やり座り直させると


「あの子の病だがな…まぁみんなかかる病だ…何度もかかる奴もいる。治す方法が無いわけじゃ無い…」


「本当か?どんな方法だ!」


ブラッドが先生の肩を掴むと


「痛い!離せ!」


ブラッドを突き放すと…


「治せるのはお前だけだ!まずはよく話を聞くこと!そしてちゃんと思ってる事を伝えるんだ。そうすれば多少動悸は残るがもう大丈夫だ…」


「そんな事で治るのか?」


ブラッドが先生を疑う


「ふん!それで治らんかったら二人でこい!この場で治してやるわ!」


「なら…今治してやってくれよ…」


ブラッドがボソッと呟くと…


「何…お前はそれでいいのか?お前が治せる病を無理やり俺が治しても!それによってあの子は心に傷を負うかもしれないんだぞ!」


先生がブラッドに怒る。


「…すまなかった、先生。それは困る…リリアナは俺が治す」


ブラッドは立ち上がると先生にお礼を言って部屋を出ていった…。


「全く…世話がかかる」


先生はため息をつくと


「しかし…ブラッドがこの病にかかるとはなぁ…これはルシファー様と酒でも飲まないとな…」


先生はそそくさと白衣を脱ぐと仕事を放棄してルシファー様の元へと向かった。



ブラッドは部屋を出てリリアナに向き合うと


「リリアナ…大丈夫か?」


手を取って立たせると


「まだ辛いなら抱いてくぞ」


ブラッドがリリアナを引き寄せようとすると…


「だ、大丈夫…歩けるよ」


リリアナは顔を赤く染めブラッドから顔を逸らす。


ブラッドはムッとすると無理やりリリアナを抱き上げた。


「まだ顔が赤い!無理するな」


軽々とリリアナを抱きしめながら歩き出した…。


二人で無言の時間が続く…二人は耐えられなくなり


「「あの…」」


同時に声を出す…


「なんだ?」


ブラッドがリリアナに促すと


「ブラッドからいいよ…私はたいしたことじゃないから…」


「そ、そうか…いやリリアナのその胸の痛みだがな…どうやら俺なら治せるらしい…だからこの後リリアナの部屋で色々と試して見たいんだが…」


ブラッドが伺うように聞くと


「うん…私も先生にそう言われた…ごめんね…ブラッド」


リリアナがすまなそうに謝ると


「なんでリリアナが謝るんだ」


「だって、私…迷惑ばっかりかけて…」


リリアナが下を向く…


「そんな事無い、お前がする事に迷惑だなんて思ったことなんて一度も無い!」


ブラッドの言葉にリリアナは上を向いてブラッドの瞳を見つめる。


「さ、さぁじゃ行こうか…」


ブラッドがサッと顔を逸らすと…リリアナがブラッドの服を引っ張る。


「私の部屋は…ギョクがいるから、ブラッドの部屋でもいい?」


ブラッドを覗き込みながら伺うよう聞くと…


ゴクンッ…


ブラッドはリリアナをだく腕に力が入った…。







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