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「先生!」
ブラッドが医務室につくとドン!と勢いよく扉を開ける。
「な、なんだ!」
突然の出来事に先生と呼ばれた人が驚くと…
「先生!リリアナが胸が痛いらしい!何かの病気なのか見てくれ!」
リリアナをベッドに寝かせると
「どれどれ…」
先生がリリアナの顔を調べる…目を見ると
「口を開いて」
先生の指示に従いあーんと口を開けると…
「目も充血してないし、喉も赤くない…じゃ次は痛いていう胸を見せて」
リリアナが、服をあげようとして手が止まる。
「どうした?」
先生がリリアナを見ると…恥ずかしそうに先生の後ろを見た…
先生が振り返ると、心配そうにリリアナを見つめるブラッドがいた…。
「おい…いつまで居るんだ、外で待ってろ」
先生がブラッドを部屋から出そうとすると
「リリアナが心配だ!ここに居る」
ブラッドの言葉に
「ブラッド…大丈夫だから…外にいて」
リリアナが困った様にお願いすると、ブラッドは肩を落として部屋を出ていった。
「なんだ?あいつは…あんな奴だったか?」
先生が首を傾げると…まぁいいかとリリアナに向き合う。
「それで?どこが痛いんだ?」
先生が質問すると…
「あれ?今は痛くないです…」
リリアナは不思議そうに自分の胸をさすった。
「それは…どんな時痛かったんだ?」
「えっと…最初は…ブラッドが私を家族って思ってるって知った時…後は…」
リリアナが考えると…顔色が悪くなる。
「先生…どうしよう、私ブラッドといると胸が痛くなります…」
「あいつといると?」
先生が驚き廊下を指すと…
「はい…ブラッドの事を考えてる時とか…ブラッドといると胸が…」
リリアナがギュッと自分の胸を抑える。
「そりゃあ…確かに病気だな」
先生が深刻そうに答える。
「しかも、聞く薬が無い病だ」
リリアナはショックで言葉が出ないでいると…
「しかし…治すことが出来るやつが1人だけいる…」
「えっ?誰ですか?私の知ってる人?」
「ああそうだ、この病を治せるのは原因のブラッドだけだ」
「ブラッドが?」
リリアナが廊下を見ると…心配そうにウロウロとしている影が目に入った…
「一度ゆっくりあいつと話してごらん…きっとその病の原因が分かるよ」
先生は微笑むとリリアナの頭を優しく撫でた。
「じゃあ、お前はちょっと外で待ってなさい、今度はブラッドを呼んで来るんだ…」
リリアナは先生にお礼を言うと…部屋を出てブラッドを呼ぶ…
「リリアナ!大丈夫なのか?」
ブラッドがリリアナに駆け寄ると…
「うん…今は平気。ブラッド先生が話があるから部屋に来るようにって言ってたよ」
「俺に?なんだ?」
ブラッドが部屋に入ろうとすると…
「リリアナ!そこで大人しく待ってろよ!送るから!」
ブラッドがリリアナを見つめると…
「うん…」
(あっ…また胸がギュッってなった…)
リリアナは胸を掴むと、椅子に座り込んだ…。