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ルシファー様と待っていると、甘い香りがしてきた。
「お待たせ致しました」
黒服がルシファー様にお茶をだすと、リリアナの前に可愛らしいケーキとお茶を置いた。
「あ、ありがとうございます…凄い可愛い…」
リリアナが美味しそうなケーキを見つめる。
「ゆっくりとおくつろぎ下さい」
黒服はにっこりと笑うと部屋を出ていった。
「さぁリリアナお食べ」
ルシファーがお茶に手を伸ばしながらリリアナにケーキを勧める。
「いただきます」
リリアナがケーキを一口食べると…
「美味しい!」
顔をキラキラと輝かせて食べていると
「リリアナは本当に美味しそうに食べますね」
ルシファー様が食べている姿を幸せそうに見つめている。
「ルシファー様も食べてみますか?とっても美味しいです!」
「では…リリアナのを一口だけ貰おうかな?」
「えっ?これですか?」
リリアナが食べかけのケーキを見ると、ルシファーがにっこりと笑う。
「で、でも…私の食べかけですよ?」
申し訳なさそうにしていると
「さっきの人にもう一つ頼みますか?」
「いいえ、リリアナのが欲しいなぁ…ダメかな?」
眉毛を下げて聞かれると、リリアナがブンブンと首を振る!
「ダメなんて…じゃこっちの方を…」
まだ手をつけて無い面をルシファー様の方に向けると
「アーン」
ルシファー様が口を開けて待っている。
(えっ?アーン…私が食べさせるの?)
リリアナは戸惑いながらケーキをすくうとルシファー様の口元に運ぶ。
「ア、アーン…」
リリアナが恥ずかしそうに言うと
パクッ
ルシファー様がケーキを口にする。
「うん、美味しいです。リリアナに食べさせてもらったからかな?すごく美味しく感じるよ」
ありがとうと笑顔を見せてくれる。
「ル、ルシファー様…」
リリアナが恥ずかしそうにしながらも笑っていると
「大変中がよろしいですね」
黒服の男がニコニコと扉の所に立っていた。
「ええ、私達仲良しですよね」
ルシファー様がリリアナを見ると
「はい!」
リリアナも幸せそうに答えた。
お茶のおかわりをもらい、ルシファー様と楽しく話していると
「ルシファー様…そろそろお時間だそうですよ」
黒服の男が申し訳なさそうに声をかける。
「もうですか…はぁ…楽しい時間は過ぎるのが早い…」
ルシファーが残念そうに立ち上がると
「ルシファー様、今日はありがとうございました…短い時間ですけど…楽しかったです」
笑ってお礼を言うと
「また…行きましょうね」
ルシファーが手を出すと
「はい!」
リリアナはギュッとルシファー様の手を握った。