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ギョクはサッ!と膝を付くと


「ルシファー様!」


リリアナが突然現れたルシファーに駆け寄る。


「リリアナ、今日はまた新鮮な格好ですね。いつもの可愛いリリアナもいいけど大人っぽいのも素敵ですよ」


ルシファーが優しくリリアナを撫でると


「今度ブラッドやハク様とお食事に行くんです、それで少しオシャレをしてみました…」


恥ずかしそうに服をつまむと


「とても似合います…そうだ、予行練習にこれから私とお茶でも飲みに行きませんか?」


「えっ…ルシファー様と?」


「ええ」


驚くリリアナに優しく笑いかけると


「い、いってもいいんですか?」


リリアナが伺うように聞くと


「もちろんですよ、それに私が娘と行きたいんです」


リリアナの手を優しく握ると


「はい…あっ、でもギョクが…」


「ではギョクも行きますか?」


ルシファーがギョクに聞くと、ビクッと耳を立てて


「いえ…ここは親子水入らずで…私は遠慮いたします」


頭を下げたまま言うと


「そっか…」


リリアナが残念そうにしている。


「ギョク、これからもリリアナをよろしくね」


ルシファーは、ギョクの頭をサラッと撫でるとリリアナを連れて消えて行った。



「ふっはぁー!緊張した…ルシファー様いきなり来るんだもん…」


ダラっと緊張を解くと…


「あっ…ブラッド達と行く前にルシファー様と行っちゃった…まっ大丈夫だよね…」


ギョクはタラっと汗を流した。




「目を開けて…」


ルシファー様が耳元で囁くと、リリアナはそっと目を開いた。


「わぁ…」


「いらっしゃいませ」


一人の黒服の男性が立っていた。


そこには煌びやかな装飾品が並ぶ広い部屋にポツンとテーブル席が一組あった。


黒服の男性が頭を上げると席まで案内してくれる。


「今日はお連れがいるんですね」


黒服が微笑むと


「ああ…これからよく顔を出す事になると思うよ、私の最愛の娘だ」


ルシファー様がリリアナを紹介すると


「リ、リリアナと申します!よ、よろしくお願いします」


慌てて席を立って挨拶すると


「お座りしててよろしいんですよ、大変可愛らしいお嬢様ですね」


優しく椅子を引いて座るのをうながしてくれる。


「す、すみません」


「いいえ」


「じゃ私にはいつものを、リリアナには何か彼女に合いそうな甘い物を持ってきてあげてくれ」


「かしこまりました…」


姿勢よく頭を下げるとスっと部屋を出ていった。


「ふぅ…」


リリアナが息を吐くと


「ふふ…緊張した?」


ルシファー様が可笑しそうに笑う


「は、はい…なんか全て高そうで…汚したり、壊しちゃったりしたら…どうしよう」


「大丈夫ですよ、気にしないで楽しんで。今度の食事会の練習だと思って」


「はい」


リリアナは深呼吸するといつものように微笑んだ。


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