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ギョクが家の前につくと…
「ギョク…」
影からブラッドが現れる…
ギョクはジト目でブラッドを見つめると…
「一体なんなんですか、あなた達は!じっとしてられないの!」
「な、なんで怒るんだよ」
ブラッドがたじろぐと
「どうせリリアナのデート相手を聞きに来たんでしょ?」
まさに聞きたいことを言われてしまう。
「な、なぜそれを…」
「さっきファイが聞きに来ました!あれ?ファイから聞いてないんですか?」
「聞いてない!で?誰なんだ?」
ブラッドが真剣に聞くと…
「あー…」
ギョクは少し考える…
(ここは…可愛い妹の為に人肌脱ぐか…)
「デートって言うか…今度食事に行く人が好きな相手らしくて…その為にオシャレしたらしいですよ…」
ギョクがしれっと言うと
「食事?」
「ええ!食事!」
ブラッドは顎に手を乗せ考えると…ポっと顔を染める…
(おっ?気がついたか?)
ギョクがブラッドの変化を見ていると…
「そ、そうか…わかった…悪かったないきなり…じゃ…」
ブラッドはくるっと向きを変えて歩き出した…
「ブラッド?同様してる?闇の中行けば一瞬なのに…どこに向かうきだ?」
フラフラと歩いていくブラッドを心配そうに見つめていた…。
その夜…
「ただいまぁ~」
リリアナが家につくと、
「おかえりー!」
ギョクが抱きついてお出迎えする!
「お疲れ様!リリアナ早速買った服着てみようよ!」
帰って来るなりギョクが服を合わせる。
「えっ?行く時でいいよー」
「駄目だよ!この服に合わせる靴とか小物を見ないと!」
「そ、そうなの?」
リリアナが聞くと
「そうそう!だからほら!着替えた、着替えた!」
リリアナを部屋へと押し込める。
リリアナがシックな装いの服に着替えると
「うん!やっぱり可愛い…靴はコレかな…あとはバッグはコレで…」
ギョクが自分のバッグを持ってくると
「あっ…バッグってこれじゃ駄目かな?」
リリアナがルシファー様からもらったバッグを見せる。
「えっ?それ?うーん可愛いけどその服には少し子供っぽいかもよ」
「そ、そっか…このバッグ持っていきたいなぁ…」
リリアナがバッグを抱きしめると…
バッグの形状が変わりだした!
「えっ…何そのバッグ…」
ギョクが唖然としている。
「ギョク!みて!この魔法のバッグ形が変わるよ!」
「う、うん…そんなバッグ初めてみたよ…」
ギョクの笑顔が引き攣る…
「持ち手も変わって、色も服に合ってるよ!」
リリアナが嬉しそうにしていると
「凄い物だね…でもそれなら今の服にぴったりだね」
ギョクが諦めたように笑っていると…
「そうでしょ?リリアナの思うように変化出来ますからね…」
優しい声が聞こえてきた…