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部屋の前に着くと
「じゃ、ギョクよろしくね!変な輩からリリアナを守ってあげてね」
「任せてよ!」
ギョクがウインクすると
「リリアナおやすみ」
「うん!ファイありがとう、おやすみなさい」
ファイを見送り二人で部屋に入ると…
「じゃ私は空いてる部屋を使うね」
ギョクが使っていない部屋の扉を開くと…
「ギョク…」
リリアナがギョクの服を掴むと…ギョクがリリアナを見る
「何?どうしたの?」
「今日…一緒に…寝ない?」
リリアナが伺うようにギョクを見ると…
「もちろん!一緒に寝ようか?」
ギョクがニッコリと笑った…
寝支度をしてベッドに向かうともう既にギョクが布団で丸くなっている…
「おじゃましま~す…」
リリアナがそっと布団を上げて隣に入ると…ピタッとギョクが寄ってきた…
「ふふ…ギョク温かい…」
リリアナも更に近づく…
「リリアナは甘えん坊になったね」
ギョクが嬉しそうに笑うと
「えっ?そ、そうかな?」
リリアナが首を傾げる
「うん、リリアナは全然人に甘えられなかったよね…だから嬉しいよ!これからも甘えていいんだよ」
「ギョク…お姉ちゃんみたい…」
「そうだね!この際リリアナのお姉ちゃんになろうかな!」
「お姉ちゃん…」
恥ずかしそうにギョクを見ると…
「嫌?」
ギョクが聞いてくる。
リリアナは慌てて首を振ると!
「嬉しい!姉妹が欲しかったから…よろしくね…ギョクお姉ちゃん…」
リリアナがチラッとギョクの様子を見ると…
「可愛い!こんな妹誰にもあげない!」
ガバッと抱きついてきた!
二人でくっつき合いながら寝ていると、リリアナがギョクに相談する。
「実は…今度ブラッドとハク様とご飯を食べに行くんだけど…」
「はっ?ブラッドとハク様と?なんで?」
ギョクがガバッと起き上がる。
「えっ?二人と行きたいって言ったら…いいよって…」
なんでそんなにびっくりするの?とリリアナが不思議がっていると…
「そ、そう…まぁ、今度ブラッドに聞いとくね…そ、それで?」
「うん…二人ともほら…大人っぽいでしょ…行くお店も大人っぽいのかなぁ…って…私…そういう場の服なくて…ちゃんとしないと、二人に恥をかかせちゃうかなって…」
「リリアナなら問題ないと思うけどなぁ…でも…服を買うのはいいね!リリアナは少し自分の物を増やした方がいいよ」
「私…魔族の国に詳しくないから…その…」
チラッとギョクをみる。
「ふふ…わかった!付き合うよ!明日にでも行ってみる?」
「うん!」
「じゃ昼休みに迎えに行くからその時に行こ!」
「ありがとう!」
リリアナはギョクのおかげで安心して眠りについた。