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「…あの人達…何言ってんだ…」
聞き耳を立てている魔族達がチラッと三人を見ると
引き攣った笑顔を浮かべる二人に対して本当に嬉しそうにしているリリアナが見える。
「絶対あの人達…断ろうと思って来てたよな…」
「ああ…最初言い淀んでた…」
魔族達が頷く。
「リリアナに丸め込まれて二回も食事に行く約束してるぞ…」
「その店…絶対行きたくないな…」
「俺…後でリリアナちゃんにどこ行くのか聞いてみよう…その日はそこら辺一帯避けて通るわ!」
「「俺も!」」
魔族達はお互いに情報が入り次第報告し合うことになった…。
リリアナと話を終えてブラッド達が帰って行くと
「リリアナ…大丈夫か?」
ガルム達が心配そうに声をかける
「えっ?何がですか?」
訳が分からず聞き返すと
「いや…あの二人が一緒に来て話をしていくなんて…初めて見たぞ…」
「そうなの?息ぴったりで仲いいみたいでしたけど…」
「リリアナがそう言うならそうなんだよ…詮索するなよ」
シュカさんがガルム達に注意すると…
「はーい…」
すごすごと引き返す…
(二人と食事…楽しみだなぁ…あっ!そうだ…あれ…どうしよう…)
リリアナは少し不安な顔をして…キョロキョロと周りを見ると…
見渡す所にいるのは男ばかり…
(誰か…女の子…いないかなぁ…)
リリアナははぁ…とため息をついた…。
仕事も終わり今日はファイが迎えに来ると…隣に同世代くらいの女の子を連れてきた…。
「リリアナ!お仕事お疲れ様!」
ファイが笑顔で迎えると…
「ありがとう…」
隣の女の子が気になり…チラッと見ると…
「リリアナ!会いたかった!」
女の子がリリアナに抱きついた!
女の子はスリスリとリリアナの頬に擦り寄ると…ペロっとリリアナの頬を舐める。
「ん?」
その下はザラっとしていて猫の様だった…
リリアナはジィーと女の子を見つめると
「もしかして…ギョク?」
「ピンポーン!」
ギョクが嬉しそうに答えた!
「本当に?ギョクも人になれるんだ!」
リリアナが驚いていると…
「うん!僕は猫娘だよ!ほらみて!」
そう言って自分の尻尾をフリフリと見せる。
「可愛い!…触っても平気?」
リリアナが尻尾を触りたがると…
「リリアナならいいよ!」
ギョクがニコッと笑う。
リリアナは優しくギョクの尻尾を撫でるとピクピクと先っぽが動く。
「ツヤツヤで気持ちいい~」
「ふふ!くすぐったい!」
ギョクがクネクネと身をよじると…
「二人で楽しそうなところ悪いけど…そろそろ部屋に移動するよ」
ファイが声をかける
「「はーい」」
三人で歩きながらファイがギョクの事を説明する。
「リリアナが良ければ今日からギョクと一緒に住んで欲しいんだ」
ファイの言葉に…
「えっ!ギョクと?いいの?」
リリアナがギョクを見ると
「リリアナが嫌じゃ無ければね!」
「嫌なわけ無いよ!嬉しい!」
リリアナがギョクの手を取ると
「これからよろしくね!ギョク」
リリアナの嬉しそうな顔にギョクも嬉しそうに頷いた。