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「おはようございます!」
リリアナが元気よく厨房に来ると…
「おっ!今日はいつもにも増して機嫌がいいな」
ルーダ達が声をかけると…
「昨日ハク様からこのエプロンをプレゼントしてもらいました!」
リリアナが着替えるとみんなに見せる。
「大きさがちょうどいいな!」
「ハク様やるなぁ~」
ガルム達が関心していると
「それにブラッドとハク様とご飯を食べる約束も出来て嬉しくて!」
「えっ?…ああ!別々に飯に行くのか?」
一瞬理解出来ずに違う可能性がある方を言うと…
「ううん、三人で一緒にだよ」
リリアナのいい笑顔が帰ってくる…
「ハク様とブラッド様が一緒にか?」
「うん!二人共仲がいいんでしょ?」
「「「えっ?」」」
ガルム達の表情が固まる…
「あの二人が?」
「水と油みたいな…二人が?」
「有り得ない…」
「えっ?」
今度はリリアナの表情が曇る…
「だって…二人共飲みに行く仲だって…」
昨日の会話を思い出す。
「二人がそういったのか?」
シュカさんまで話に加わると
「はい…それとも嘘…だったの…かな?」
リリアナが悲しそうに笑うと…
「いや!二人がそう言ったのならそうに違いない!」
慌てて肯定する!
「そ、そうだな…ほら…俺達にはわからない世界があるんだよ!きっと…」
「そ、そうだな…リリアナよかったな!」
「そ、そうだよ!二人と食事なんて凄いな!楽しんで来いよ!」
三人がハハハ…と空笑いをした…。
リリアナが食堂のテーブルを拭きに行き離れると…
「おい…一体何があったんだよ…」
ガルムがコソッと二人に話しかける。
「知らねぇよ!あの二人犬猿の仲で知られてるよな?」
「ああ…何かと反りが合わないんだよな…」
三人が顔を合わせると…
「リリアナとブラッド様とハク様の食事会…」
「恐ろしいな…」
ブルっ!
ルーダが震える…
「何があったか知らんが…リリアナのおかげで二人の関係が変わるかもな…」
シュカが面白そうに笑っている。
「俺なら絶対にそんな食事会嫌だけどな!」
ルーダが否定すると…
「なーに?その面白そうな話…僕にも教えてよ」
いつの間にかそばにいたファイがニッコリと笑いかけた。
ガルム達がとりあえずリリアナから聞いた話を伝えると…
「ふーん…」
ファイがなんほど…と笑う。
「何か知ってるのか?」
「どうせブラッドがリリアナに困った顔でもされてその場限りの嘘でもつこうと思ったんじゃないの?それがリリアナの雰囲気にのまれて食事にいく羽目にでもなったんじゃないかな?」
「な、なるほど…」
ルーダが関心していると…
「でも仲が悪い二人とはいえリリアナとご飯に行けるのは楽しそうだなぁ!」
ファイが羨ましいと笑うと
「ならファイも付いて行けばいいじゃないか?その二人とならファイがいてもおかしく無いだろ?」
ファイは少し考えると…
「絶対、嫌だね」
素敵な笑顔で否定した…。