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(私に用ですか?)
頭にルシファー様の声が響く…
「えっ!ルシファー様?」
リリアナがキョロキョロと周りを見ると
「ふふ…ここですよ」
いつの間にか後ろにルシファー様が立っていた。
「ルシファー様!」
リリアナは久しぶりのルシファー様に思わず抱きつくと…
「ずっとお礼を言いたかった…ルシファー様…」
ギュッと力を入れる。
「それなら何時でも呼んでくれれば良かったのに」
ルシファー様が優しく頭を撫でると
「だって…ルシファー様はここで一番偉い方ですよね?そんな気軽になんて…」
「あなたはもう私の娘なんですよ…子が親を呼んで何が悪いんですか?」
ルシファー様がリリアナの顔を覗き込む
「親…」
「ええ…最初に言いましたよね?あなたの父になると」
リリアナはちょっと戸惑うと…
「じゃ…お父さんに…お土産渡してもいいかな?」
ルシファー様を伺うように見つめる…
「お土産?」
「うん!今日みんなでお出かけに行ったの…」
そう言うとカバンからお土産を取り出してルシファーに手渡す。
「これです…ルシファー様ならもっといい物を持っているかもしれないけど…」
「これは…羽根ペン?」
「これで…お仕事頑張って下さい」
ニコッと笑いかけると…
「ありがとう…今までのどんなプレゼントより嬉しいですよ…」
ルシファーは大事そうにペンをしまうと
「こんな素敵なプレゼントを貰ったら…お返しをしないといけませんね」
「えっ!いいえ!私の方がずっと色んなものを頂いてます!もうこれ以上は大丈夫です!」
リリアナが要らないと断ろうとすると、ルシファーは優しく語りかけるように…
「リリアナはみんなにお土産やプレゼントを選んでる時はどう思いましたか?」
急な質問に戸惑うが素直に考えると…
「みんなの事を思って…想像して楽しかったです」
「またあげたいと思いましたか?」
「はい!」
「それと同じように私もリリアナにプレゼントをあげたいと思っているのですよ」
「同じ…」
ルシファーが優しく微笑むと…
「私にも同じように楽しみを下さい」
リリアナは少し考えると…
「ルシファー様のプレゼント…楽しみです…」
照れるように頷いた。