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高齢者に立ちはだかる壁(千鶴)

作者: 狼花


 「ねぇ、お母さん。私もノート、ルーズリーフにしたい」

3人でご飯を食べてる時に桃花から要望があった

「小学生からルーズリーフなんておしゃれですね桃花」

「欲を言うと学校の授業、全部iPadで受けたいんだけど

 時代が追いついていないんだよね。

 せめてルーズリーフが欲しいな、なんて」

娘たちの会話を聞いて、学校のあり方も少しずつ変化している

ことに驚いている。

・・・確か、タブレットを使う学校って増えているって言ってたっけ・・・

確かにデジタル機器になると教科書もノートも必要ないのよね。

ただ、教える側もタブレットを使いこなせないといけないので、

ご年配の教員は大変なのだろう。

教科書からタブレットになるのだから、機械が苦手な人は抵抗があると思う。

最近はコンビニもセルフレジに変わっていくし。

今世の高齢者はテクノロジーの学習という強大な壁があるのね。


 「ねぇ、お母さん聞いてる」

そうだった。今はルーズリーフのことを話してたんだった。

「ルーズリーフってあれでしょう。

 バラバラの紙をバインダーに閉じるっていう」

「そうそう。それそれ。」

「あんたに必要ないわよ。整理できないのに」

「ルーズリーフがあれば出来る!!」

いつもの根拠のない自信ね。いったいどこからその自信は湧くのかしら

「部屋を片付けるなら考えてもいいわよ」

「なんで、そうなるのさ」

「ルーズリーフって紙束だから、散らばるのよ。ノートと違って」

「桃花。たまには部屋を片付けましょう」

奈々も桃花に声をかける

「あんたにはジャポニカ学習帳で十分よ」

ノートにはノートの良さがあるんだから。

「え〜やだ。ルーズリーフがいい」

桃花は体を揺すって駄駄をこねる。

・・・あんたに買ってもらったノート。今頃ランドセルで泣いてるわよ・・・

「桃花。とりあえずお部屋を掃除してからまた相談しましょう」

そうそう。いいわよ奈々。頑張って桃花に掃除させなさい。

「もういい、諦めた」

「諦めるの早すぎますよ桃花」

・・・ホント、早すぎよあんた。・・・

桃花、自信も確かに大事だけど

      根性も同じくらい大事なのよ


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