異世界にて
視界を遮っていた光が収まり目を開けるとそこにはテレビなどでしか見たことがない神殿のような場所にいた
いきなりの出来事に皆呆然としている中
「こ、これは······まさかの異世界召喚キターーーー!」
と心の中で俺は叫んでいた
そんなことを思っていられる状況ではないと分かっていても隠れオタクの奈緒は叫ばずにはいられなかった。
一人興奮していると奥の扉が開き人が三人入ってきた。
「異世界の皆様、私はこの国の王女のセレス·ティーナと申します。いきなりの事態に驚いていることでしょう。本当に申し訳ありません、しかしどうか落ち着いて私の話を聞いてください」
セレス·ティーナと名乗った王女は身長 は俺の胸くらいあり、綺麗な金髪に青い瞳のとびきりの美人だった。着ているドレスは一目でお金がかかってると分かるような物なので王女と言うのは間違いないだろう。
他のみんな、特に男子はそんな王女様にこの事態も忘れ見惚れていた。
しかし俺はそれよりも王女様が俺たちに言った言葉しか頭になかった
そう!王女は俺たちのことを異世界の皆様と言ったのだ! 俺の考えが間違っていなかったと証明され更にテンションが上がってしまう!
「いてぇ!?」
するといきなり隣に来ていたみきに足を踏まれた
な、なんで?
「相澤なにするんだよ!」
「奈緒君が王女様にデレデレしてるからよ!」
どうやら俺はあまりの嬉しさに顔がにやけていたらしい、それをみきは俺が王女様にデレデレしていると勘違いしたみたいだ。ここはしっかり誤解を解いておこう。
「別に王女様にデレデレなんてしてないよ」
「じゃあなんであんなにニヤニヤしてたのよ!」
そう言われ俺は言葉に詰まる、けっして王女様にデレデレしていた訳ではないが俺は大学ではオタクであることを隠して来た、なので異世界召喚に興奮していたなどいえないのだ。
俺が言葉に詰まっていると
「やっぱり王女様にデレデレしてたんじゃない!」
とみきは怒って頬を膨らました。
そんなみきにどう説明するべきか悩んでいるとふと困ったような声をかけられた
「あ、あの~お話のところ申し訳ないのですがこちらの話を聞いていただいてもよろしいですか?」
そんな声をかけられ俺はみんなの視線が俺たちに集まっている事に気づいた。
みきも気づいたようで顔を赤くしながら慌てて王女様に謝っている。
「お、お王女様! すす、すいませんでした」
「いえいえ、お二人はとても仲が良いのですね 」
王女様の言葉に先ほどよりも顔を赤くして口をパクパクさせているみきを見て王女様は優しい笑顔を向けている。
しかし俺はさすがにみんなの視線が痛くなってきたので
「王女様、申し訳ありませんでした。話の続きを聞かせていただいてもよろしいですか?」
と王女様に聞いた。
王女様はそんな俺にも笑顔を向けて
「もちろんです、このような場所で説明するのもあれなのでまずは王宮に案内しますね」
と言ってから後ろで控えている鎧をきた騎士のような人たちに指示を出し始めた。
指示を出された騎士の男が俺たちに近づいてくる
「俺はこの国の騎士団長を務めているジルバートだ、これからお前たちを王宮にいる国王様のもとに連れて行く、くれぐれも失礼な態度を取らないように」
と偉そうに言ってから俺たちについてくるように言ってきた
そんな偉そうな態度に若干イライラしながらも仕方なくついて行く。
そして王宮の国王様の前まできた俺たちは国王様の前で頭を下げる
「表をあげよ」
国王様に言われ俺たちは頭をあげ国王様を見る。国王は全身を宝石や金で固めていてとても強欲そうな顔をしていた。
そして俺たちを見ながら国王様は言った
「貴様らを呼んだのは、貴様らにこの世界に現れた魔王を倒してもらうためだ」
そう国王様に言われ周りの人たちはみな動揺していた。
しかしまたここでも俺は一人めんどくさそうな顔をしていた。
うわぁ〜これあかんやつの異世界召喚かもしれん、この国王胡散臭すぎるだろ!
そう思っていると周りの人たちが騒ぎ出した。
「お、俺たちにそんなのが倒せるわけないだろ!?」
「そ、そうよ 私たちは戦ったこともないのよ!」
「安心しろ、貴様ら異世界人には強力な力が宿っていると言う 、使い方もしっかり教えてやるから大丈夫だ」
と、とても国の王がするような顔とは思えない悪人顔で言った。
前言撤回、これ絶対あかん異世界召喚だ!
どこに安心できる要素があるんだよ!
俺は早々に王宮を抜け出す決意を決めた。
その後王宮に務めている魔道士の人からある程度のこの世界の知識を教わった
まとめるとこんな感じだ
この国はアスラ王国と言ってこの世界の三代国家の一つらしいこと
突如大きな魔力を感じて調べて見たところ魔王が誕生していたことを知ったこと
まだ魔王によって被害が出たところはないこと
そしてこれが一番肝心の魔法について!
この世界の魔法は火、水、風、土、氷、雷の六代属性魔法に光、闇、聖の古代魔法そして職業魔法にユニーク魔法があるらしい。
職業魔法というのはステータスの天職によって使える魔法が異なる。 ユニーク魔法は名前のとうりその人個人の魔法だ、しかしこの魔法を使える人はごく稀だと言っていた
そして明日俺たちのステータスを調べるとのことだ、今からワクワクがとまらない!
目指せチートスキルで異世界無双!
そんなことを思っていた時期が俺にもあったな·····