第2話 ①お見舞いに来たよ!
「ママ、パパ今日も行ってきます。」
仏壇に手を合わせてママとパパに挨拶をするのは幼い頃から当たり前のようにしてきたので今ではすっかり習慣になった。
「よし!学校に行こう!!」
立ち上がると昨日怪我した足が少し痛んだ。
「……そういえば昨日ちゃんとお礼言えなかったな……。」
学校に着くとすぐに保健室に連れて行ってくれてそのまま何も言わず教室に帰ってしまった。
おぶってもらっている時も「話しかけるなオーラ」が出ていたのでお礼が言えなかった。
幸い、クラスが一緒だったので名前は覚えた。
「三枝昂君…か。」
いつもならとっくに幽霊に取り憑かれているのに今日はまだ話しかけられてもいない。
三枝君のお守りの効果だろうか?
それなら、なおさらお礼を言わなくちゃ!
「先生、今日三枝君って休みなんですか?」
やっとお礼を言えると思ったのに、放課後になっても三枝君は来なかった。
職員室に入るのは緊張したが、ここで引き下がったら三枝君にお礼をいう機会がなくなる気がした。
「あぁ、そうなんだけどよかったわー!どうしても今日までに届けたいプリントがあって困ってたの。」
「は、はい?」
一体何がよかったんだろう?
「もちろん、プリントを持ってってくれるでしょう?」