opening
3001年。
地球は、2つに分かれていた。
今から120年前、第三次世界大戦ー別名、「世界核戦争」が勃発した。
一発落としただけで大陸が1つ丸々汚染されるような核爆弾を使った、残酷過ぎる戦争だった。
当然、人々も放射能に汚染され、たくさんの人が死んでいった。
しかし、その中でごく僅か、放射能による病気にもならず、生き残った人々–––Immortal(人)、通称「イム」がいた。
当時では僅か10000人にも満たない程の少人数だったらしい。(当時の世界の人口1兆人と比べれば少ないだろう)
その、イム達は、立ち上がった。
放射能によって死んでしまう人種、Underdog(亜人)–––通称「アンダー」が生きられる世界を取り戻そう、と。
しかし、地球全体にははもう、完全には除去しきれない量の放射能に汚染されていた。
そう、「地球全体には」。
そこで、イム達はこうした。
「部分的に、放射能の無い地域を作る」。
彼らは、それを実現した。
だが、周りの汚染されている地域をから出る放射能で、再び汚染されてしまう。
彼らは、「放射能の無い地域」に、ドーム状の強化ガラスを置いた。
それが、今僕が住んでいる「コロニー」だ。
あれ、ちょっとまて、と。
生き残ったのは皆イムなのだから、産まれる子もイムじゃないのか、と。
違ったのだ。
原因は分からないが、イム同士親の子でも稀にアンダーが産まれてきてしまうのだーこれは世界核戦争から120年経った今もだ、だからイムはコロニーを作り上げた。
それにより、世界は分断された。
コロニー内にいるアンダーは当然コロニー外には出れず、コロニー外にいるイムはコロニー内に入ってはいけなかった–––イムは過度な放射能の汚染により、自身も放射能を発しているため、中に入るとアンダーを殺してしまうからだ–––。
そう、
地球は、「分断」された。
これから話すのは、「コロニー」に住む僕の日常–––。