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千葉研究伝記  作者: 山田二郎
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3 不老不死と強人

少なくとも、誰もが一度は考え夢にみる物。それは個人の願いであり、大半の人々が一度は考えたことのある願いである。


長生きしたい、死にたくない。何百年と生き続けたい。


不老不死それは人という存在が、自我に目覚め欲望という言葉を知った時から始まったものだと私は思う。

権力を持ち続けたいと願う者は、大抵不老不死の伝説を血眼になって探していたりする。

だが不老不死がおいそれと見つかるはずもなく、人間は未だ永遠の命という物を得てはいない。

それを実現させようとしているのが私がいる機関の最終目標である。

だがこの機関の者は考えていた。ただ不老不死になるだけで良いのかと。老いず死なずになったはいいが、体は人のまま、刺されれば痛みを伴いう。たとえば高い所から落ちても死なぬのだから、それはそれは想像もつかない苦痛が待っているであろう。不老不死を狙い、襲いくる何らかの者に対して何も対処できず研究のため監禁されれば、生きていることが苦痛に変わる。そういう輩から自分を守る絶対的肉体は必須であり、不老不死を目指すうえで絶対に必要な力なのではないかと。そう考え絶対的な不老不死を生み出すという考えのもと始まったもう一つの研究が強化人間、略して強人である。


強人は世界各地の異形奇形を探し調べ研究していた。 身長が2メートルを越える大男や、耳が常人よりも発達したもの、痛みを感じぬもの。上げればきりがないほどの者達を研究し探していた。文献をあさり、それがあればそこまで足を伸ばしたりしていた。

そんな強人が鬼子と称された子供達を黙って見ているはずもなく、部下から話を聞いた次の日、私が鬼子達がつれてこられる機関の手が入った私がいる研究施設の広場にやってくると強人のお偉い研究員が何人も雁首揃えて鬼子供達がくるのを親が持ってくる新しい玩具を待っている子供のような目をしていた。それと同時に私と同じ研究をしている者達もその広場に集まっていた。野次馬というものもあるのだろうが、不老不死を研究している者も自分がその鬼子を研究したいと顔を出していた。

 そんな魑魅魍魎の中に珍しい顔があった。このご時世では珍しい女性の研究員、斉藤の姿だ。私は斉藤のもとに歩みよった。

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