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第四話



…………寒い中投稿。



結界の穴をくぐったはずなのに何故か外界に戻れなかった蒼夜


「なあ、霊夢。結界は間違いなく開いていたんだよな?」


「もちろん、私が嘘をつくわけ無いじゃない」


「…じゃあ、蒼夜は何で帰れなかったんだ?」


「…もしかして、あなた、能力持ち?」


「は?能力?んなんもってる分けねえよ。こっちはただの高校生だぜ?」


「でも、幻想入りの際に能力に目覚めた可能性は?」


「……ちょっと待ってて、道具を取ってくる」


そう言って神社の中に入っていく霊夢。


「なあ萃香、もしかして、俺って帰れないのか?」


「うーん、一応もう一つ方法はあるけど、それをするには妖怪の賢者の力が必要なんだよね」


「妖怪の賢者?」


「そう、そいつがこの幻想郷を造ったんだよ」


「世界創造か、スケールがでけぇな」


そんな感じで蒼夜が萃香と話していると、神社の中から霊夢が戻ってくる。


「お待たせ。あんた、ちょっとこれに触ってみて」


そう言って霊夢が差し出すのは一つの水晶玉。


「これはこの神社に伝わる宝具の一つで、能力を持った人間が触れば光を発するの。……まあ、妖怪や神には意味がないんだけどね」


「そんな大切なもん使っていいのか?」


「物は使ってこそ価値があるのよ。いくら珍しいものでも使わなかったらゴミ同然。そんなものに価値は無いわ」


「なら、ありがたく使わさせてもらうか」


そう言って水晶に触れる蒼夜。


その瞬間、水晶が強烈な光を放つ。


「うわっ!?眩しい!」


「な、何これ!?ここまで光った事なんて無いわよ!?」


「目が~!目が~!」


あまりにも強烈な光に思わず両手(・・)で目を守る三人(・・)


「「「あ」」」


蒼夜が思わず手を離してしまった水晶は地面に落ち……


「ふっ!」


……なかった。


蒼夜の渾身の飛び込みで、なんとか最悪の事態を免れる三人。


しかし……


「くそ、痛え!?」


またもや痛みに転げ回る蒼夜。


「……あんたには学習能力は無いのかい?」


「くそ~。…そうは言っても、割れたら困るだろ」


そう言いながら霊夢に水晶を渡す蒼夜。


「あ、ありがと」


「で、光ったって事は、蒼夜は能力があるって事でいいのかい?」


「そうなるわね」


「なんだ?俺は能力持ちなのか?てことは、『その幻〇をぶち殺す!』とか、『圧縮圧縮ゥ!空気を圧縮ゥ!!』とかができるようになるのか?」


「あなたがなにを言っているのかよくわからないけど、そういう事ね」


「さらに、能力持ちだから元の世界には帰れないな」


「何でだよ?」


「それは…「それは私が説明するわ」何よ、紫」


そう言って現れたのは、あのとき助けた少女。


「お前は、あのときの!?」


「はあ~い。どうも、私は八雲紫よ。あのときはありがとうね」


「なに?蒼夜は紫の事知ってるの?」


「ん?そういえば説明してなかったな。俺は幻想入りする直前に事故にあったってのは話しただろ?実は、電車にひかれそうになった紫を俺が助けた代わりに俺がひかれて、幻想入りしたんだ。まさか紫も幻想入りしてたとは…」


「あら、違うわよ。私は元から此処の住人よ?」


「え?」


「私は自分の能力を使ってここ(幻想郷)と外(外界)を行き来しているのよ。それで周りにバレないように移動しようとしたらあなたが勘違いして助けようとしたのよ。あのときは私も驚いたわ」


「なに、てことは俺がやったことって危うくただの無駄死にになるところだったの?」


「そう言う事ね。あなたが大怪我したのを見て私がここに連れてきたのよ。ただ、移動の際に手違いがあって全く別の場所に残してしまったけど」


「……なあ、一発殴っていいか?」


蒼夜は怒りに体を震わせながら聞く。


「あら、こんなか弱い女性を殴るって言うの?」


それを聞いた霊夢があきれた顔をする。


「あんた女性って年じゃないでしょ。見た目は誤魔化せても年齢は誤魔化せないわよ?このババア」


その言葉を聞いた紫は言葉を失う。


「な……」


「なんだ、そうなのか?」


「えぇ、紫は此処を造った張本人よ。もう二千年くらい生きてるんじゃない?」


「てことは立派なBBAだな」


その瞬間紫は崩れ落ちる。


「なによ…。私だけじゃなくて永琳や幽々子だって立派なBBAじゃない!」


「まあ、そんなことは置いといて「置いとかないでよ!?」なによ、うるさいわね」


「で、俺の能力ってなんなんだ?」


「ふん、もういいわよ。どうせ私はBBAよ……」


「あ、紫がいじけた」


「それはわからないわ。さっきの水晶ではあくまでも能力があるっていうことしかわからないのよ」


「そうか。で、紫、俺は帰れるのか?」


「それはできないわ。能力持ちの人間を外界で暮らさせるわけにはいかないわ」


「そうか………。なら、少しの間だけでいいから、外界にでれないか?」


「理由によるわね」


「学校や周りに、遠くに行くって言っときたい。残るなら残るで、未練は無くしときたいんだ」


「なら、そうね……2日間、時間をあげるわ」


「すまねえな」


「ほら、このスキマを通ればあなたの家の前に着くわ」


「行ってくる」


「早く戻ってきなよ」


「おう」


そして彼はスキマに入った。


彼がスキマをくぐると、そこには見慣れた我が家の姿がある。


「(此処にくるのもこれが最後か……)」


彼がそんなことを考えていると…。


「おい…お前…蒼夜か?」


「あ、久しぶり」


「久しぶり、じゃねえよ!あのとき一体何があったんだよ?」


「いろいろあったんだよ。突然で悪いが、俺、明日からかなり遠くに引っ越すことになったんだ」


「マジかよ…」


「すまねえ。なにしろさっき決まったからな」


「はあ、決まっちまったもんはしょうがねえか。元気でいろよ」


「おう」


そして二人は別れた。


続いて蒼夜が向かうのは、自身が通う高校。


そこでも似たような説明をした蒼夜は、自宅に戻った。


「さてと、最後に必要な物だけ持ってくか」


彼はしばらく思案した後、幻想郷に持って行くものを決めた。


「まずは着替えだな。これは三着ぐらいあればいいか。あとは……こいつも持って行くか」


彼が手に取ったのは一対のナイフ。


ともに少し大きめで、グリップには空洞があり、グリップと刃の間に小さな穴が空いている。


「兄さん………」


これは彼の兄が死に際に彼に遺したものだった。


「準備はできた?」


「なんだ、来てたのか。……ああ、もう大丈夫だ」


「そう…。あ、言い忘れてたけど、貴方にはこれからいくつかの課題をこなしてもらうから。じゃあ、一名様ご案内~♪」


「おい、課題ってなんだよ?」


紫はその質問には答えず、彼を幻想郷に戻すためにスキマを開いた。


………彼の真下に。


「は?」


「まずは最初の課題。今から空中に落とすから、着地するまでに飛べるようになりなさい」


「こんのババアァァア!!」


彼はそう叫びながらスキマに落ちていった。



感想、誤字脱字の指摘、質問、待ってるぜ!

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