ライトノベルは商品です
何を今更、と言いたいかもしれませんが、あえて書きます。商品というのは、売れなければ意味がありません。
出版社は慈善事業をしているわけではないのです。作品募集というのは、売れる弾を探しているのですから。
賞金は、これから稼いで取り返してくれるだろうという投資なのです。
では売れるというのはどういうことか、考えたことはありますか?
あなたがなろうで自分の気の向くまま好き勝手書いて総合評価ランキングベストテン入りするようなら、きっと問題はないでしょう。どうぞこれからも頑張ってください。
けれど、ランキング入りしているものについて、「何でこんな物がランキング入りしているのか分からない」という場合、あなたの感性は「読者」と離れている可能性が高いです。つまり、あなたの書く物は読者の好みでは無い可能性も高いです。
読者を言い換えるなら、「大衆」です。
あなたは、どんな読者を想定して物語を書きましたか?
自分と似たような相手ですか?
ではあなたと似たような相手は、この日本に何人いますか?
そういう人たちにしか売れない物を、出版社が欲しがると思いますか?
そういうことです。
あなたが面白いと感じるものを、読者が面白いと感じるとは限らない。逆に言えば、読者が面白いと感じるものを、「あなたが」面白いとは感じないかもしれない。
自分の書きたい物を書けない覚悟はありますか?
出版社が気にするのはあなたの顔色ではなく読者の気分です。少しでも読者の気を損ねないように、出版社は作者に対して制限をします。表現がキツいと、直すように言われます。少しでも多くの人に、次に出す本も買ってもらうためです。
そして売れたら売れている内は次を書かせたがります。
書きたくない話の引き延ばしを、書く覚悟はありますか?
また、ページ数という制限もあります。ページ数が増えたら、本の値段が上がるからです。また、厚みのある本は新規読者には通常敬遠されるからです。某電撃の鈍器メーカーさんの本だって、デビューしたての頃はもっと薄かったのです。あの厚みは、あれでも喜ぶ読者がいる実績です。ちょう面白いよ境ホラ。導入部キツいけど。
あなたが脳味噌振り絞って書き表したこの上もなくすばらしい表現も、必要が無ければ削れと言われます。独創性のある設定は、分かりにくいという理由でリテイクされます。
せっかく作ってせっかく書いた話を、削る覚悟はありますか?
知ったように書いていますが、あとがきとかついったーとかで、作者さんも物言う時代ですので、そこで得た知識です。だから全部が全部ということはないでしょうが、誰かの添削が入るのは確実です。
売っている本は一人で作っている物ではないんですから。
書きたい物を書きたいように書くには、まず売れる商品を書けるor書いた実績を作らないといけないのです。
あなたは、あなたの作品を、「商品」として売る覚悟はありますか?