とりあえず金の話をしよう
以下はライトノベル作家、特に専業（他に収入源をもたない場合）を想定しています。
あなたはラノベ作家になって売れっ子になって印税ウハウハとか考えていらっしゃいませんか？
多分甘いですよ？
聞いた話ですが、基本の印税は10％。つまり600円の本を売っても作者の取り分は60円。さて一万部売ったらいくらになるでしょうか？
簡単な計算ですね。60万円。
では、年収300万円を達成する為には、何回本を出せばいいでしょうか？
同じく簡単な計算ですね。年5回。
つまり2ヶ月ないし3ヶ月おきに、一冊本を出さなくては年収300万円に届きません。
原稿用紙約300枚分としましょうか。それだけの文字数は一万2千字ですね。それだけの物を一年間コンスタントに出し続けられますか？ 次の年は？ その次の年は？
書かなくなったら、お金は入ってきません。
それが可能な人でないと、専業でラノベ作家にはなれないと思います。
なれても、ウハウハというわけには、いかないと思います。
そして、一万部売れるというのは、結構すごいことです。なろうでも一回更新のユニークで一万人というのはすごいことではないでしょうか。ランカーさんにでもなれば簡単なのでしょうか。縁遠い話なので存じませんが。
なろうの閲覧は無料ですが、売っている本は有料です。最近は立ち読み防止に新刊にシュリンクしている本屋さんも多いので（これだと裏にあらすじの無い電撃文庫は不利じゃないかと思いますが）、新規のお客さんに買ってもらうというのは大変なものだと思います。まあ基本的には作品を何部発行しました、という段階で出版社から作家さんに印税が支払われるそうですが。
あくまでも聞いた話をえらそうに語ってみます。
でも最近新刊の帯に、「○○部突破！」とか書いてあったりしますよね。そのシリーズの、既に発行されている本の冊数でその○○部を割ってみてください。そして裏に書いてある価格の10％を掛けてみてください。
現実が見えます。
※漫画化されるとシリーズ累計部数は漫画の分割り増しされますが漫画の場合の取り分はごにょごにょらしいですし？
そしてお金を稼いだら、税金を持っていかれます。この時期（書いてるのは2月）作家さんたちを悩ませる確定申告ですが、年収300万円を稼いだとしても、結構な額を持っていかれます。
僕は実は年収のことを、最近まで手取りの部分のことだと思っていた阿呆です。税金とかいろいろ引かれる前の段階の年間の収入合計のことなのですね。
税率かけて計算してみてもいいかもしれませんが、面倒なのでパスします。
そして生活費を考えてみましょうか。家賃・食費・水道光熱費・その他もろもろ。仮に分かりやすく月額15万円としましょうか。年収300万円ということは月収にして25万円。差し引き10万円。ただしこれ、先ほど書いたように色々引かれる前。つまり可処分所得（自由に使えるお金ってとこですね）は10万円以下。
僕は都市部の生活費はちょっと見当がつかない田舎者ですから、実際はもっとかかると思います。
年間5本バリバリ書いて一万部発行してこれだけです。
何度も言いますが、書かなくなったら、お金は入ってきません。
現実が見えましたか？
