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現実  作者: 玉蔓
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 男の子なら誰しも小学生のころ、学校でプロレスごっこや決闘ごっこと称して友達とじゃれあったりしたものだ。時にはケンカになることもあり、お互いにすりむいたり軽い痣ができたりすることもあったが、それはいつの日か過去を思い出し懐かしむ印になるであろう。僕にもそれは刻まれている、右ひじのあたりに昔、タケともみ合いになりそのまま二人して転んだときに付いた傷だ。女の子の顔に傷をつけたら、男の子はその子をお嫁さんにもらわなければならない。だから、女の子に手をだすのはいけないことだ。僕が幼いころ母はそう言っていた。では、男の子どうしの場合は、ケンカにより付いた傷はさしずめ二人の友情の証にでもなるのであろうか。だが、僕とタケのその証は高校2年に破られた。いや、僕が一方的に破ったのだ。

 僕たちは幼いころから家が近所ということもあり親友で、幼稚園・小学校・中学校と同じところに通っていた。ほんとうに気持ち悪いくらいに気があい、話題が何であろうが二人の手にかかれば話は尽きず、笑いあうことができた。そんな二人に転機が訪れたのは中学2年の夏のことであった。

「俺、親父の仕事の都合でさ、東京のほうに引っ越すことになった」

いつものように、二人で家までまっすぐに延びる夕暮れの坂道を下っているところであった。タケはそれを努めて何でもないことのように、道に軽くポイ捨てするかのようにさらりと言った。だが、彼の言葉を覆う隠しきれない悲しみを僕の心ははっきりと感じることができた。

「そうか、でもええなー 東京にはかわいい女の子がいっぱいやろな、なんせ日本の首都やからね首都」

僕もタケが東京に行ってしまうことなど大した問題ではないということを伝えるためにちゃらけてみたが、おそらく僕の言葉にも悲しみは覆っているであろうし、タケもそれを気付いているであろう。

二人はそのまま黙って歩き続けた。夕日が僕たちを照らす。その熱で揺らめき真っ赤に燃える太陽が僕たちの悲しみを燃やしつくしてくれようと頑張ってくれているかのように見えたのは、僕たちが泣いていたからかもしれない。

最近、書いてばっかりで全然読めてないなー 小説読みたいなー

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