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現実  作者: 玉蔓
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 10月25日

 修学旅行・文化祭・体育祭など様々な行事が2年のスタートから立て続けにあった。学校行事とは始まる前は憂鬱でめんどうくさいものであるが、いざ始まってみるとなんだかんだ楽しいものである。北海道への修学旅行の前日、タケが「大丈夫やって、お前は絶対一番いい顔して帰ってくるから」と言っていたが、まさにその通りになってしまったかもしれない。なにせバスガイドさんがそれはもう美人だったのである。これでテンションが上がるなというほうが無理な相談なのだ。そんなことを思い返しながら一人にやにやしていると、バスのアナウンスが目的地である立館高校へ到着したことを告げる。先日、僕の誕生日に父がプレゼントしてくれたデジタル時計に目を落とすと、時刻は8:45を示している。教室まで5分かかるとしても1限開始時刻の9:00まで10分ちかくものゆとりがある。ああ、バスの時間さえなければ、もう少し寝ていられるのに・・・

たかが10分と思われるかもしれないが、学生にとっての朝の10分はそれはもう重大な意味を持つのだ。マラソン選手が1分のタイムを縮めるために日夜トレーニングに励んでいるならば、朝の学生も1分でも多くの睡眠時間を確保するために、朝のパンを食べる時間やお手洗い、いやウンコの時間を1秒でも削るために日夜トレーニングを積んでいるのだ。バスを降りるとそこには立館高校設立当時からそこにそびえ立つ真っ白な校門が見える。ここをくぐれば今日も僕は偽りの自分を演じなければならないのか。そう、朝の時間をいかに削り睡眠時間を確保するのかというくだらない命題について考えることもない、ただただ本当の自分を隠し、虚像の自分を演じるだけのおろかな役者となるのだ。校門の前には上下のえんじ色のジャージに身を包みこの世に悲しいことなど何もないといった表情で体育教師が校門をくぐる生徒一人一人に挨拶を飛ばしている。その様子を軽く見下しながら僕は校門をくぐった。

さあ、今日もまたピエロになる時間だ。

なかなか、物語の本論に入らないものですね

すみません、セリフの話者を変更しました。

以降こういったミスはなくすように努めます。

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