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現実  作者: 玉蔓
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 3学期になって山岡は学校に来なくなった。1学期にうちの高校に転校してきてから毎日のようにいじめられ続けられてきたのだから、よくもったほうだなと思う。遠藤たちにとってはおもちゃが無くなったにすぎず、壊れたらまた新しいおもちゃを探せば良い、それだけのことに過ぎないのだ。元から友達のいなかった、というよりも初日から遠藤たちに目をつけられて、誰も関わりたがらなかった山岡がいなくなったことなど大した出来事ではなく、クラスの様子にはさしたる変化がなかった。所詮クラスの仲間などというのは幻想にすぎず、利害関係が一致しているから一緒にいるにすぎないのだ。こいつと友達でいれば、異性との接点が増える。こいつと仲良くすればテスト前に勉強を教えてもらえる。友情などという無形のものなど信じるに値しないのだ。だから、遠藤たちのいじめから山岡を助けるものなどいなかった。山岡を助けるということは遠藤たちの標的になる可能性を自分から作り出すことを意味する。そんなリスク背負うのはみんな絶対に嫌なのだ。そんなクラスメートを責めることは僕には到底できない。僕はあろうことか自らの保身のためにいじめの加害者となったのだ。そう、たった一人の親友をいじめるという最低最悪の道を選びとったのだ。

祝 二けた突入

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