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「好きです。付き合ってください!」
高校2年の秋、僕は人生で初めて告白された。今日学校に来たとき「放課後ちょっと話があるから教室残っといて」と言われたときから、正直な話、薄々感ずいていた。だが、実際にその状況に入ると何処か他人事のような、自分が告白されている当事者とは思えないような奇妙な感覚が全身を走った。
「え、えーっと、その、何ていうか...お願いします」今になって振り返ると、何とまあ不格好なものであろう、これではモテない男と自分から告白しているようなものではないか。
とまあ、そういうわけでこれで僕も人生で初めて彼女というものができたわけだ。今まで心の中で思い描いていたスタートとは少しばかり違うが、まあそれは大目に見よう。
「うわーマジかよ、裏切られたー」そう電話口の向こうで嘆くタケの声はどこか楽しげである。おそらく彼なりに僕の幸せを祝福してくれているつもりなのであろう。「お前、俺のこと大好きって言ってくれてたやん。やのに他の人に乗り換えるなんてひどいわ」
「何言ってんねん。僕はいまだにタケのこと大好きやでって」こんな他愛のない冗談を言い合えるくら
いに僕とタケは仲が良い。事あるごとに電話し、ダラダラと話す。こういうときがなんだかんだで一番幸せな時間だったりする。「でもお前、そんなにミドリちゃんのこと好きやったっけ?」
「んーでも、性格めちゃめちゃいいし、美人やと思うし、まあいいかなーって」
「まあ、そうやな。女子人気も高いあのこ振っちゃうと、お前の評判が悪なってまうからな。妥当な判断やろ」
もちろん僕もだが、どうしてこうもまあ、男という生き物は異性に対して、こんなにも上からものを言うのであろう。「おっさすが、俺の後々を見据えたこの判断、分かってくれてるねー」
「当たり前やろ俺とお前、何年の付き合いやと思ってんねん。お前のこすい考えなんて全部お見通しや
」
「タケにはかなわんわ。んじゃ僕寝るから、また明日な」
初めて小説を書いてみたので、恥ずかしいです。