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運命ノ魔法  作者: Rorse
第2章~激闘の始まり~
12/21

第12魔法~クラスリーグマッチ 秘密~

どうも!すいません。凄い遅れました;;

「荒野を駆ける風」も頑張りたいのですが…ムズイです…

さぁ!どうぞ!

第12魔法~クラスリーグマッチ 秘密~


翌日…雄斗は那々美の部屋で目覚めた。


「ふぁ~寝た寝た。…こいつもよく寝てんな、よしよし。このままにしとこ…」


そう言って、那々美の頭を撫でてベットを出る雄斗。

那々美の部屋を出て、リビングに行くと、政輝が居た。

『今日は早いね』と一言いい、テレビを見る政輝。そんな政輝の隣に座り、一緒にテレビを見る雄斗。

すると突然、雄斗は思いつめたような顔で政輝に話しかけた。


「那々美と鈴音、エレノアの事は頼んだぞ…政輝。俺はもう長くねぇ」


と言い始めた雄斗。さらにこうつづけた。


「俺の体の抵抗力は所詮紙っぺら程度。そんなに長くは持たないだろう…金はある。

お前たちの為に…俺が汗水流して稼いだ金だ。それで…頼んだ」


「嫌だ」


雄斗は驚く。こんな返答が返ってくるとは思っていなかったからだ。


「兄ちゃんはさ、ここに居たいんでしょ?ならそれで良いじゃ無いか。

それに、兄ちゃんがそう言う事言うと…みんな悲しむよ?

鈴音姉ちゃんなんか何するか分からないしね」


政輝はにっこりと笑う。その笑顔は女の子顔負けだ。

そんな政輝の言葉と笑顔に、何も言えなくなる雄斗。


「だからさ、兄ちゃん…がんば―――――」


と政輝が言おうとした時…雄斗が政輝にもたれるように倒れた。

よく見ると、寝ていた。

先ほどは『よく寝た』とは言ったものの、日々の疲れが溜まっているのだろう。


「ふあ~ねむねむ~。あ、雄斗~居た居た~お姉ちゃんも一緒に寝る~」


そう言って、自分の部屋から出てきた鈴音も、雄斗に抱きつこうとして、何故か雄斗とは反対側(雄斗がもたれかかってない方)から抱きついた。政輝は2人に挟まれる形になっている。


「…はぁ…全くもう…姉ちゃんはともかく兄ちゃんは急に来ないで欲しーな。ビックリするじゃ無いか…それに…姉ちゃんは何故こっちから?」


そんな風に愚痴?をこぼす政輝。顔はとっても嬉しそうだ。

もはやテレビ所では無い政輝、しかし、テレビよりも面白いものを見つけたようだ。

雄斗と鈴音の寝顔だ。言うなれば天使と女神。と、言っても鈴音の顔は見えないが…。

興味があるのか、ここぞとばかりに鈴音の髪の毛を少し上げる政輝。


「…やっぱり…か」


政輝の顔は…雄斗と鈴音が起きるまで…ずっと笑顔であった。




―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――




「さてと…行くか…ま、心配すんな。あと、那々美にはあまり試合を見せるな、いいな?」


「まぁ、頑張ってはみるよ。気よ付けてね」


政輝に別れを告げ、雄斗・エレノア・鈴音はカシューレル生徒寮に向かった。





カシューレル前、ここで2年の鈴音と1年の雄斗・エレノアは別れる。


「うぅ~寂しいよ~雄斗、毎日来てね?良いでしょ?」


「オメェな…お前2年の上に女子寮じゃねぇか。無理に決まってんだろ」


少しウザったそうに言う雄斗。しかし鈴音は一歩も引かない。


「じゃあ、私が行く!だから部屋教えて!行くから」「バカか!」


朝っぱらから校門の前で夫婦漫才を繰り広げる2人。

そんな2人を端の方で見るエレノア。




―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――




そんな事をやった後、やっとの事で寮にたどり着く。

それぞれ学年別に別れ、その次に男女に別れる。雄斗エレノアは無論男子寮。

同じ性別その上でペアならば確実に同じ部屋になれるのだ。


「一緒の部屋で――――――」 「一緒の部屋とかマジで嫌なんだけど」


入ったそうそう険悪なムードが部屋に流れる。

部屋はなかなか広く、ベッドは2つ。風呂・トイレ付、机も2つづつある。


「…流石に冗談だよ、そんな悲しい顔すんな」


そう言ってエレノアの頭に手を乗せる雄斗。だがエレノアの顔はまだ暗いままだ。

冗談には聞こえなかったのだろう。悪意満載で言っていたようにしか聞こえなかった。

困ってしまう雄斗。


(こんなに落ち込むとは思って無かったぜ…仕方ねぇ…アレ(・・)してやるか…)


「おいエレノア…そこで少し待ってろ」


なにも言わずにベッドに座るエレノア。雄斗は外へ出て行った。




――――――――――――――――――――――――――――――――――――――





そのころ雄斗は寮の外を歩き回っていた。何かを探しているようだ。


「ん?どこだ…無い…ここら辺だったはずなんだが…」


そうやって歩き回っていると、後ろから声が聞こえてきた。


「探し物?」「何やってんの?」「ゆうとっちだ~」


そこには、3人の女子。皆カシューレルの制服を纏っている。


「その声…試合の時の…テメェらが応援してくれてたのか?」


「おお、気づいてくれた!そうだよ、耳良いんだね、雄斗くん」


そう言ったのは3人組のリーダーだと思われる人物。


「…ありがとな。っと、今はそんな事言ってる場合じゃねぇ。なぁ桜って何処にある?」


「あっち」「あっちだったけ」「あっちだよ~~♪」


そう言われると、風のように走っていった雄斗。


「何だ…優しいじゃん、やっぱ。ワン子の勘も、今回は当たったね」




―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――




バタンッ!と開くドア。雄斗が戻ってきたのだ。


「エレノア!待たせたな!見ろ!」


握りしめていた左手を上に向かって振ると、桜の花びらが沢山宙に舞った。

その瞬間、雄斗が腰の伊冴无斬に手をかけた。すると…

花びらが…星の形に変わっていた。


「え…桃色の…流星群??」


驚くエレノア。

しかし、真昼間(まっぴるま)。しかも室内で見れる物では無い。


「そんな表現、初めて聞いたな。ただ、桜の花びらを剣で切っただけだ」


どうだ?面白いだろう?と言ったような表情を見せる雄斗。

そんな雄斗を見て、エレノアも安心したようだ。


「いやしかし、まぁすまん。冗談のつもりだったんだが。やっぱダメだな、俺は…

こんな事位しか出来ないからよ、いつも…人から嫌われてな、まぁもう慣れたが。

元々こんな性格だし、基本的に馴れ合いは嫌いだし…っと、喋り過ぎたな。忘れろ」


先ほどの少し明るい表情から、いつもの他人を寄せ付けない表情に変わった。

しかし、エレノアの表情は変わらず笑顔だった。


「雄斗って、優しいよね。僕にも親切にしてくれるし、試合の時は強引だったけど…」


顔を真っ赤にしながらモジモジするエレノア。

しばらく雄斗は佇んでいたが、自分のベッドの上に座った。


「さてと、今日は特に試合もねぇし、練習でもするか…」「じゃあ僕も行く」


雄斗の言葉に素早く反応するエレノア。

『勝手にしろ』と、素っ気なく言って練習場に向かった。




――――――――――――――――――――――――――――――――――――――




練習場には様々な設備がある。魔法によるシュミレーション設備。

魔法で作られた的がある射撃場に、魔法で作られた敵が出てくる近接武器練習場。

その他にも設備はあり、自由に練習内容を決める事が出来る。


「秘龍技・紅蓮炎斬!!」


先ほどから、雄斗は叫びながら剣を振り続けている。

紅蓮炎斬。激しく燃え盛る炎によって全てを焼き尽くす。と言われている。

何も使えないのでは話にならない。雄斗はいつもそう言って練習をしていのだ。

だが、一向に使えない。ただ剣が空を切る音だけが(むな)しく響くだけ。


「はぁ…はぁ…はぁ…紅蓮…炎斬!」


しかし…何も起きない。


「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…くそっ!出来ない…か…」


遂に力尽き、地面に膝をつく。


(何故…出来ないんだ…何が足りない…!)


精魂尽き果て、地面に仰向(あおむ)けに倒れこみ、空を(あお)ぎ見る雄斗。

遠くから銃声が聞こえる。エレノアの居る射撃場からだ。

それと共に聞こえてくるのは…女子の歓声。


「まったく…モテモテだな…あいつは…あんな所に俺が行ったら…考えたくもない」


そのまま目を瞑る雄斗。

辺りには人はおらず、雄斗1人だけしかいない。

元々近接武器を使う人間は多くないので、ここは基本的に過疎化しているのだ。

だがそのお陰で雑音は無く、風の音と小鳥のさえずりが聞こえてくる。

その内、何匹かの小鳥たちが雄斗の体の上に乗ってきた。

動物は内面を判断すると言うが…特に警戒心の強い小鳥が乗るというのは、珍しい。


「へっ…お前たちくらいなら…何百・何千、いや何万でも乗せてやるよ」


そのまま、雄斗は小鳥のさえずりを聴きながら。眠りについた。





「う…う~ん。やべぇ~寝ちまったか…鳥が一杯だな…それと…」


雄斗が目を開け少しだけ上げると、栗毛の狼の顔がそこにあった。

仰向けに寝ている雄斗の体の真上に伏せたまま寝ているのだ。

しかし、雄斗は迷惑どころか嬉しそうに微笑み、栗毛の狼の頭をそっと撫でる。


「さてと、どうするかな…動けないぜ…」


雄斗の真上に狼、その他にも鳥やら犬やら。さながら動物園である。

まだ陽は高く、動けない状態である。


「寝よう」


そう言って雄斗はもう1度目を閉じ、深い眠りについた。




―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――




「雄斗、雄斗?雄斗!起きて!雄斗!!」


「う…うぅん?あ、エレノア?もう帰んのか?」


エレノアの声によって目覚めた雄斗。しかしその眼はまだ眠そうで、半開きだ。


「もう…折角の練習時間に寝てたら意味無いよ~?僕だけじゃつまらないしさ」


大きくあくびをし、眼を擦る雄斗。


「俺は銃が苦手なんだ、勘弁してくれ。後さ、あともうチョイ寝かせてくれ」


そう言って雄斗はゴロンと、エレノアとは反対の方向体を向けてに寝転がる。

エレノアはしゃがんで必死に雄斗を揺すって起こそうとするが、一向に雄斗が起きる気配はない。


「あ~うるせ~なら…こうだ!」


瞬時に身を翻し、エレノアの腰に手を回して抱き寄せた!


「ゆ…雄斗!?ななな…どうして…?急にこんな!恥ずかしいよ…」


「こうすりゃ動けないだろ?寝かせろ、後少しでいいからさ…」


雄斗はエレノアを強く抱きしめ、目を閉じた。

時間にして8時。辺りはもう暗闇に染まり、空もまた同様だ。

そんな中、2人の男子がこうやって寝ているなど、おかしな話である。

しかし、エレノアの顔はどちらかと言うと幼く、女の子寄りなので最悪な状況。


「きゃーーー!!見てみてー!2人で抱き合いながら寝てるわよー!」


「超不良男子と美形優等男子!全く逆なのに!絵になるぅー!」


そこにやってきたのは…エレノアの追っかけである女子の大群。

キャーキャーと騒ぎながら2人に近づいてきて、あっという間に2人を囲んだ。

すぐさま2人とも立ち上がり、背中を合わせた。

しかしその時、雄斗の顔色が激変した。


(しまった!薬を…飲み忘れ…ぐぅ!)


雄斗はその場に頭を抱えながらひざまずいた。

その髪は白くなっていき、眼は段々と紅くなっていく。


「見るな…見るな!…俺を…見るなあああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああああ!!」


雄斗は顔を隠しながら寮の方向に猛スピードで走っていった。


「…雄斗?髪が…眼が…変わった?」




―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――




「うわあああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああああ!!」


雄斗は、ただ走っていた。

その髪は白く、走る度にその長い(・・)髪が風になびく。眼は…紅く染まっている。


「ん?お~い!君は誰?俺は聖太って言うんだけど君は―――――」


雄斗の前に立つ聖太。だが、雄斗はそのまま聖太にぶつかってしまう。

聖太が下、雄斗が上の状態で地面に倒れる。


「イタタタ…君、大丈夫かい?」


雄斗は…涙目だ。何も言えずにそのままその場を走り去る。

取り残された聖太。


「…見た事無いけど…何だか、あの子…可愛かったな~」


しばらく、(ほう)けていた。



――――――――――――――――――――――――――――――――――




しばらくして…雄斗・エレノア部屋。

帰ってきたエレノアがドアを開けると、雄斗は窓辺に腰かけ、月を仰ぎ見ていた。

その髪は黒く、眼は黄。いつもと変わらぬ雄斗がそこには居た。


「…エレノア?おかえり。遅かったな」


「ねぇ雄斗。僕もあんまり上手く聞けないけど…さっきのは何だったの?」


話しかけるエレノアに、雄斗は顔を再び月に戻し、黙ってしまった。


「…仕方ねぇ…か。いつかバレるとは思っていたが…こんなにも早いとはな」


そう言うと、雄斗はエレノアの前に立つと。雄斗の姿が変わった。


「!?」


「…俺はよ…こんな姿だ。男だが…本当は…女の姿をしてるんだよ…」


白く光り輝く腰までかかる長い髪。真っ赤に染まった瞳。膨らみのある胸。


「それって…まさか…」


雄斗は何も答えなかったが、エレノアには分かってしまった。

自分の実家。ガーネット社がやったんだと。


「どうだ?醜いだろう?笑いたければ笑え」


そう言って…雄斗は微笑んだ。


「これが…俺の秘密かな?」


「僕が…僕の所為で…こんな体に…?」


エレノアは今にも泣き出しそうな声で言う。

雄斗はエレノアの頭に手を乗せ、こう言った。


「お前がこの事を黙っててくれればいいさ」


「これは、俺とお前だけの秘密だ」


第12魔法~クラスリーグマッチ 秘密~END

                 次回予告

雄斗の秘密!それは…自分は女であるという事!

動揺を隠せないエレノア、変わる雄斗!

走る動揺!鈴音!そして明かされる!鈴音の素顔!

次回!運命ノ魔法!「走る亀裂」


「結局…どいつもこいつも、敵でしか無い」

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