第11魔法~クラスリーグマッチ 異変~
さてさて、今回はちょっとヒドイかも知れないです(^^;;
しかし!まぁみてください!
余談ですが!最近喉の調子が最悪です!
第11魔法~クラスリーグマッチ 異変~
クラスリーグマッチ第1回戦の試合が終了した雄斗達は、他の試合を観戦するようだ。
しかし、エレノアは反対しているようだ。理由は雄斗の体の状態。
何度も槍で殴られた上にフレイムサーペントの直撃を受けて大やけど。
そこら中痣とやけどの跡、服も黒こげだ。
しかし雄斗は、『聖太の試合があるから見ておきたい』と言って聞かない。
エレノアは呆れてものも言えない。というような顔をしている。
そんな口論を続けていると、
津梁聖太・護崎咲夜VS今条直志・比嘉直美の試合が始まった。
今条直志はその名前に似合わぬ魔法使い。性別は男で超熱血漢。
比嘉直美は清楚で可憐な大人しめな女の子。双方とも魔法の腕はそこそこ。
『それでは!試合開始!!』
まず最初に動いたのは咲夜だった。剣を振り上げ直志に向かって走り出す。
「おお!君は熱いな!よっしゃぁぁ!フレイムサーペントぉぉ!!」
直志の体に巻き付き、そして咲夜に向かって襲いかかる。
「咲夜ちゃん、今援護するからね~!」「必要無い!」
聖太の援護を拒否し、突進する咲夜。しかし、炎の蛇が牙をむく。
咲夜は上手くステップをして避けたが、反転して炎の蛇が咲夜の背中に向かった。
「しまっ――――――!」
そのまま咲夜の背中に命中。辺りには焼け焦げた匂いが立ち込める。
噴煙の中から、咲夜が現れる。まだ走るのをやめていなかった。
「体を焼かれて尚、こっちに来るなんて…熱い、熱過ぎるよ君!」
「直志君…あの、はしゃいでる場合じゃ…」
テンションが上がり過ぎる直志を横で心配する直美。その2人の姿はまるで夫婦だ。
そんな2人所に、一閃の雷が落ちてくる。聖太の魔法だ。
「おっと…邪魔しちゃったかな?」「余計な事をするな!!」
激怒する咲夜。そんな2人を見た雄斗は…
「…コンビネーションが最悪だな。このままじゃ…負ける」
雄斗はその後もじっと見ていたが、溜息をつくばかりだった。
直志・直美ペアのコンビネーションに、聖太・咲夜ペアは押される一方。
そんな姿を見かねたのか、遂に雄斗が声をあげた。
「おら聖太!咲夜!どうした!お前らの力はそんなもんかよ!呆れたぜ!特に咲夜、テメェ自分の力を過
信してるんじゃねぇか?テメェは弱い!だから、仲間の力を借りてみろ!!」
そんな雄斗の言葉に対して『私は弱くなどない!』と激怒する咲夜。
雄斗は…何も言わずに、そのまま観客席を後にした。
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「待ってよ!雄斗、突然どうしたの?」
「あんな試合見てられるか。あいつらは負ける。結末が分かってる劇は面白くない」
雄斗は完全に興味を失くしたようだ。しばらくコロシアムの中を歩く。
そして、自販機の前に立ち、ギガ・コーラを3本買った。
1本はエレノアに渡し、1本は自分用に、そして…あと1本を手に持ち、観客席に向かった。
エレノアと雄斗が席に戻ると、咲夜は地面に倒れ、聖太は肩をおさえている。
そんな聖太と咲夜を見て、雄斗はコーラを聖太に向かって投げつけた。
コントロールは抜群で、聖太の頭に直撃した。
「いてっ!何だよぉ…こ…これは!?コーラじゃねぇぇぇぇかぁぁぁぁぁ!!」
頭に当たったことそっちのけで、コーラをみて歓喜の声を上げる聖太。
次に、雄斗は咲夜の方を向き、叫んだ。
「おい咲夜!テメェいつまで寝てやがんだ!パンツ…見えてんぞ!!」
「な!?貴様!ななな…何を見ているんだ!!バカ者!!」
スカートを手で押さえ、赤面しながら立ち上がる咲夜。そんな2人を見て笑う雄斗。
「何だ、元気じゃ無いか、なら、まだ戦えるな?」
そんな雄斗の言葉にハッとなる咲夜。聖太は、その後ろでコーラを一気飲みしてた。
「龍ヶ崎雄斗…貴様…私の為に…?」
「…お前とは、しっかりと決着をつけたい。剣を持つ者として、覚悟を見たくてな」
雄斗はそう言っていたが、咲夜の顔は真っ赤に染まっている。
そこから、2人が変わった。
「聖太とやら、私の剣にサンダーを使ってくれ。」「オーケー!」
咲夜の剣に雷が落ちる。外部式 雷を纏う剣の完成だ。
「熱い!熱過ぎるよ!君達!よっしゃぁぁ!大地を焦がす炎!!
直志の体からでる巨大な炎。大地を焦がす炎は火属性の高等魔法だ。
しかし、聖太が本気を見せた。
「これが僕の今できる全力だ!水の壁!!」
超高等魔法。1番難しいと言われる水魔法。聖太の得意属性は火・雷・土。水属性が苦手のはずだ。
苦手だから使えない。と言う訳では無いが、苦手属性の、しかも中等魔法まで行くと不可能に近くなる。
しかし、聖太はそれをやった。しかし、危険な賭けであった。
だからこそ聖太はいつもとは違い、時間をかけたのだ。
水の壁が立ちはだかる。グランドファイヤーは、水の壁によってかき消された。
「な!?俺の炎が!?」「直志君の炎が…」
そんな風に驚く2人だが…水の壁を飛び越えて、咲夜が現れた。
「一刀!両だぁぁぁぁぁぁぁぁん!!」
上空から直志の脳天に刀を直撃させる。すると直志はその場に倒れてしまった。
「峰打ちだ。まぁ、痛いだろうがな…」
そして直美に剣を突きつける咲夜。
『試合終了ーーーーー!!勝利ペアは、津梁聖太・護崎咲夜だぁぁぁぁぁあああああ!!』
勝利が決定すると、雄斗は満足そうに会場を後にした。
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そして、雄斗とエレノアはいったん自宅に帰宅する。
「ただいまー。あ、そう言えば明日から寮生活になっから。よろしくな~」
そう、クラスリーグマッチ中は全員が寮での生活となるのだ。雄斗とて例外では無い。
今回はペア戦と言う事で、一部屋共同の生活となる。
「お兄、だいじょーぶなの?体ボロボロだよ?はやくお風呂に入りなよ」
雄斗に駆け寄る那々美、体はボロボロ全身黒こげ、まぁ心配もする。
「雄斗~お帰り。じゃあ、今日はお姉ちゃんとはいろ?良いでしょ?」
「あぁ」
もう思考するのも面倒なのか、鈴音の提案に即答する雄斗。
何を思ったのか、那々美も同行した。
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風呂に入る時も、雄斗の眼は虚ろであった。きっとあの時は無理をしていたのだろう。
そんな事には気がつかないのかはしゃいでいる那々美。
しかし、笑顔であっても鈴音は気が付いているようだ。雄斗の異変に。
そして風呂釜の中、いつものように雄斗が那々美の事を抱いている。
しかし、その眼はやはりどこか虚ろで、鈴音も入っていると言うのに反応しない。
「雄斗、体洗ってあげる。出てきて」
鈴音の誘い。いつもの雄斗なら恥ずかしがるか怒るかの2択だが、
「あぁ」
と即答。風呂釜を出てイスに座る。
全くの無抵抗。何の反応も示さなければ動きもしない。
そんな時間が過ぎ去り、3人で風呂釜に入っていると、那々美が上がった。
しばらくすると、雄斗の髪の色が白くなっていった。
それに気がついた鈴音はすぐさま雄斗を風呂から出し、体を洗い、抱えて雄斗の部屋に向かった。
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やがて雄斗の部屋のベットに雄斗は置かれた。
その髪は黒く、いつもの雄斗のままだった。
夜中。雄斗は起きた。しかし、その体はふらふらで、歩くのもままならなかった。
雄斗が1階に降りると、何処からか泣いてる声が聞こえてきた。
その場所は、那々美の部屋からだった。
「おい…那々美。どうした…?」
部屋のドアを開けて、中に入る雄斗。そこには、顔を真っ赤に泣きはらした那々美が居た。
「お兄…!来ちゃダメ…お願い…」
いつもの那々美ならば喜ぶだろうが、何故か雄斗を拒否した。
「那々美…」
しかし、それでも那々美に近づこうとする雄斗。
だが…
「来ないで!!」
そんな那々美の剣幕に、雄斗は何も言えなくなった。
しばらくの間、重い空気が流れる。
「ごめんね、お兄。大丈夫だから、大丈夫だから……」
「大丈夫な訳あるかよ!!そんなに顔真っ赤にして!何が大丈夫なん―――」
そう言いかけた雄斗だが、その場に急に倒れこんでしまった。
苦しそうに胸を押さえ、もがく雄斗。
那々美も流石に雄斗に駆け寄る。
「お兄!お兄!急にどうしちゃったの?ねぇお兄ってば!!」
「……心配すんな。俺は……大丈夫だから……お兄ちゃんは、強いからな……」
優しく、いつものように話しかける雄斗、だが…何かがおかしかった。
息も荒く、言葉も上手く繋がっていなかった。
「なぁ……那々美……今日は、一緒に寝ないか?」
「……良いよ……一緒に寝よう……お兄」
そうして、那々美が雄斗を抱え、自分のベッドに運んだ。
2人がベットに入ると、やがて静寂に包まれた。
「お兄…ごめんね。でも…ホントに大丈夫だから…心配しないで!」
明らかに無理をしている笑顔だ。だが、雄斗は何も言わずに、那々美を抱きしめた。
「お前は……絶対……俺が護る。だから……心配するな」
力強く、胸に、離さないように……。
第11魔法~クラスリーグマッチ 異変~END
次回予告
雄斗と那々美に起こる異変!これは何の予兆なのだろうか?
そしていよいよ始まる寮生活!そこで巻き起こる…ある事態。
何が起こったのか!それは雄斗とエレノアしか知らない秘密!
次回!運命ノ魔法!「クラスリーグマッチ 秘密」!
「これは、俺とお前だけの秘密だ」