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運命ノ魔法  作者: Rorse
第2章~激闘の始まり~
10/21

第10魔法~クラスリーグマッチ 開幕~

さぁいよいよ開幕!

クラスリーグマッチって題名引っ張り過ぎですかね?

まぁみてください!


第10魔法~クラスリーグマッチ 開幕~


学校…今日が…クラスリーグマッチ第1回戦の開催日だ。

しかし…まさかの非常事態が起こっていた。

狭霧が…居ない。何の連絡もなしに学校を休んだのだ。

パートナーである雄斗は1人で戦う事になってしまうのだ。

運悪く…今日の初戦は、龍ヶ崎雄斗・天之狭霧VS中原宰治(なかはらさいじ)志島大徹(しじまだいてつ)


中原宰治は優秀な魔法使い。筋力こそ全くないが…魔法に関しては言う事無い。

志島大徹は真逆、魔法使いには珍しい筋肉バカだ。言わば雄斗タイプだ。

バランスタイプ…理想的なチームと言えよう。

だが…雄斗は…今1人だ。分が悪すぎる…。


「…はぁ、まったくあの野郎…まぁ良いか…もともと一人なんだし…」


廊下に張り出されているトーナメント表を見て溜息をつく雄斗。まぁ無理もない。

そんな雄斗の姿を心配そうに後ろから見るヒュレス。


「雄斗くん…そうだ!エレノアさんと組んだらどう!?」


何も言わずにその場を立ち去ろうとする雄斗。

そんな雄斗の反応を見て、ヒュレスは泣き始めてしまった。

突然聞こえる泣き声に驚く雄斗。その声の主がヒュレスだと分かるとさらに慌てる。


「な…なに泣いてんだよ!」


「だって…雄斗くんが…無視するんだもん…一生懸命…頑張ってるのに…」


慌てふためく雄斗。何も出来ないようだ…。

明らかに折れた雰囲気で『分かったよ…』と言ってその場を後にした。



―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――





教室…雄斗は教室に入ると、まず自分の席に座った。

隣には先に来ていたエレノアが座っていて、『おはよう』と元気よく挨拶をする。


「おい、今日のクラスリーグマッチ、俺とペアを組め」


「うん、僕は別に良いよ」


満面の笑みで即答するエレノア。

調子が狂うのか、『ん、そうか』と言って空を見つめる雄斗。

いよいよ…この後…クラスリーグマッチ第1回戦…開幕だ…。



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――





急きょペアの変更もあり、龍ヶ崎雄斗・エレノア・ガーネットVS中原宰治・志島大徹。

まず、校舎の横にあるドーム状の会場に選手・観客が向かう。

この大会は長期的な大会で、まず第1次リーグは1年生クラス代表決定戦。


次に2年生クラス代表決定戦。そして3年生クラス代表決定戦。となる。

なので、結構長い間はクラスリーグマッチしかやらないのだ。

観客は選手以外の1・2・3年生。ちなみに…テレビ放映もされる。

雄斗・エレノアはすでに待機室に入っていた。





待機室…ここにはロッカーやベンチが置いてある。まさに待機室と言う感じだ。

雄斗は剣の手入れ、エレノアはそんな雄斗をただじっと見ていた。


「お前…武器とか杖とかはないのか?」


何もせずに見ていたのが心配なのか、いったん作業を中止してエレノアに話しかける雄斗。


「え…?あ、うん…ごめんごめん…ついね…」


雄斗は不思議そうな顔をして、剣の手入れを再開した。


「ねぇ雄斗くん…どうして…急に僕に優しくなったの?」


エレノアも不思議そうに雄斗に問いかける。

作業を終え、伊冴无斬を腰に挿した。


「俺は…仲間くらいは大切にするつもりだ…」


そう言ってエレノアに背を向ける雄斗。


『間もなく、試合が開始します。選手の方は、コロシアムに出てください』


アナウンスが流れる。


「…行くぞ、エレノア(・・・・)


「うん、行こうか…雄斗くん」


雄斗とエレノアは、コロシアムへと繰り出していった。




―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――




雄斗とエレノア、宰治と大徹がそれぞれ配置につく。

周りはすごい歓声だ。

前衛は雄斗、後衛はエレノア。前衛は大徹、後衛は宰治。とそれぞれなっている。


「さぁ!クラスリーグマッチ第1回戦!


龍ヶ崎雄斗・エレノア・ガーネットVS中原宰治・志島大徹!レディ…GO!!」

いよいよ試合開始。

まずは大徹が雄斗に向かって突っ込む。手に持っているのは槍だ。

もともと体格が良い大徹、太く長い槍を持っている。

雄斗の手持ち武器は剣。リーチでは圧倒的に不利だ。

しかし雄斗は依然として動かない。


「うおりゃあああ!!」


大徹の繰り出す突き。雄斗はそれを軽々と避け、槍の上に飛び乗る。

そして、唐竹に思い切り脳天目がけて剣を振り下ろす雄斗。

誰もが大徹の死を思った。しかし…雄斗の剣は大徹の頭を避け、空振りをした。

観客の誰もが思わなかった結果。雄斗自身も何が起きたか分からないようだ。

そして雄斗は後ろに飛び退く(とびのく)が着地したときに足もとがふらついた。

雄斗は右手で剣を持ち、左手で顔を覆った。


(何だ…?体が…急に…ふらつく?視界も…ぼやける…)


「雄斗くん!!」


エレノアが叫び、魔法を唱える。


「サンダーボ―――」 「サイレンス」


エレノアが魔法を使おうとした瞬間。宰治の魔法がエレノアにかけられる。

サイレンス…その名の通り敵の声を出せなくする魔法。

これで…魔法の詠唱が出来なくなった。


「エレノア!!」


叫ぶ雄斗。しかし、まともに動けないようだ。

エレノアは苦しそうに喉を手で押さえながら地面に倒れこむ。


「くっ……まずは…エレノアを助けるか…」


しかし…雄斗の動きは最高に鈍い。そんな雄斗に大徹の槍の横薙ぎ払い(よこなぎはらい)が繰り出される。

殺傷能力はないが…柄の部分で殴られるのだ。気絶くらいはする。

そして…雄斗の腹にモロに入ってしまった。


「ぐ…ぐぐ…ぐはっ!!」


口から血を吐き、その場にうずくまる雄斗。間髪入れずに縦方向の攻撃が入る。

それを伊冴无斬で何とか受け止める雄斗。

先ほどから、槍なのに雄斗には柄の部分で殴る事しかしていない。

楽しんでいる…いたぶっていると言うのだろうか…。


苦しむエレノア。まともに立つこともできず、ふらふらの雄斗。

そんな雄斗に繰り出される薙ぎ払い。反応できずに吹っ飛ばされる雄斗。

壁にたたきつけられ、崩れ落ちる。


「―――――――――――!!」


声にならない声で叫ぼうとするエレノア。だが無駄なあがき。

ふらふらながらも雄斗は立ち上がった。それでも追撃は止まらない。

何度も殴られ、壁にたたきつけられ、その度に立ち上がる。

だが…雄斗は何も抵抗が出来てない。ただ為すがままだ。





観客も興ざめしてしまったようだ。だれも雄斗・エレノアの応援などしない。

逆に罵声が浴びせられている。しかも…雄斗にだけだ…。


「茶番なら他所でやれ!」「あいつら弱っ!」「いつも威張ってるくせにねぇ」


最後には缶やらゴミやらが雄斗達に向かって投げられる。

雄斗は何も言えずに、ただ必死に立っていた。

しかし…その顔は怒りに満ちていた。唇を血が出るほど強く噛んでいた。

エレノアにも罵声が浴びせられる。その時…雄斗が叫んだ。


「俺の事をバカにするなら結構…だがな…エレノアの事まで悪く言うんじゃねええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!」


だが…雄斗の叫びなど…観客からしたらただの偽善。笑われるだけだった。

遂に雄斗も立てなくなり…剣を地面に突き立て、膝をついた。


(ちくしょう…何で…俺は…こんな時ばっかり…龍音姉…ごめん…俺はやっぱり…)


そして…そこに加えられる薙ぎ払い。今度は雄斗の顔に直撃する。

今度こそ終わり…雄斗は吹き飛ばされ、地面に倒れこんでしまう。

そのまま…ぴくりとも動かなくなってしまった。


「立て!龍ヶ崎雄斗!!貴様の力はその程度のものだったのか!!」


観客席から聞こえる声。その主は…護埼咲夜。


「雄斗くん!立って!貴方には、まだやんなきゃいけない事があるでしょう!!」


ヒュレスの声。


ポツポツと聞こえる雄斗達の応援の声。


「頑張ってー!」「負けるな~!」「元気はつらつぅ~!」


何処からか聞こえる応援の声。ひとつはまぁおかしいが…。

少ない…。応援の声は最高に少ない…。だが…雄斗の右腕が少し動いた。


「雄斗…立って…立ち上がって!!ゆうとおおおおおおぉぉぉぉぉ!!」


そんな鈴音の声に反応して…雄斗がゆっくりと立ち上がった。


「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…女の子泣かすのは…嫌いでなぁ…はぁ…はぁ…」


雄斗は静かにそう言い…メガネをとった。

そしてゆっくりと…エレノアの方に向かって歩き出す。


「フレイムサーペント」


そこで宰治の魔法が炸裂する。

フレイムサーペント…その名の通り…火の蛇を召喚して襲うのだ。

しかし…その魔法の狙いは雄斗では無かった…火の蛇はエレノアに向かった!


「エレノア!逃げるんだ!!」


しかし遅かった…エレノアは動けなかった…。まさに…絶体絶命…。

大きな火柱が立つ…しかし…エレノアの前には…雄斗が立っていた…。

自分を盾にしたのだ…。雄斗の体からは煙が立ち込めている。

そして…振り向き、エレノアを抱き上げた。そして…なんと…、


「――――――――――!!??」


キスをしたのだ…観客は大驚き。場は騒然とする。


「―――――――――――――」


そして…エレノアと雄斗でアイコンタクトをとる。


「…封印解除(ロックアウト)!!」


エレノアの声…魔法だ。封印解除(ロックアウト)は呪いの解呪魔法だ。

雄斗はゆっくりと立ち上がる。そして、鋭い眼光で大徹を睨みつける。


「成程ねー、身体制御魔法…それで雄斗(・・)の力を抑えてた…って事?」


身体制御魔法…相手の身体の機能を制御し、抑えつける魔法だ。

しかし持続させるには集中しなければならず、無防備になるのだ。

だから…フレイムサーペントの発動時に雄斗が動けたのだ…。




―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――




「く…少しは頭が動くようだな転校生くん…だけど…もう一度サイレンスを――――」


そう言った宰治の後ろには一つの影…その影の正体は…雄斗。

『いつの間に!?』と言った宰治…だが、その瞬間に…宰治を体に剣が貫く。

恐怖に震える大徹。しかし、雄斗に向かって突進した…が…。

バーーーーン!!と、銃声がした後、大徹が倒れた。

エレノアの手にあったライフルから…煙が出ていた。


『…え…あ、試合終了ーーーー!!勝利チームは、雄斗・エレノアチームだ!!』


司会者も何が起きたかよく分かってないようだ。


「やったね、雄斗」「――――――――――」


中央でハイタッチをする雄斗とエレノア。しかし雄斗の声が出てない。

『あ、ごめん!』と言ってディスペルを雄斗にかける。しかし、雄斗の声は治らない。

すると雄斗は手を使ってジェスチャーをする。


「ええええええ!?そ…そんな事しなきゃいけないの!?」


雄斗は首を縦に振る。

顔を赤らめるエレノア。赤くなり過ぎてもはや喋れなくなってしまってる。


「うう…さっきのだって恥ずかしかったのにぃ!もう僕は嫌だからね!!」


顔を雄斗から背けるエレノア。そんなエレノアの頭を掴んで自分の方に向ける雄斗…。

そして…キス。


「ふあ~。やっと声が出せる…まったく、さっさとしてくれよなー」


「…ゆうとぉぉおおおおおおおおおおおおおお!!何するんだよーーーーー!!」


「え?いや、ご…ごめん…その…まぁなんだ、良いだろ?別に」


雄斗の頬をかすめる銃弾。

エレノアは顔を真っ赤にしながら銃を構える。

追いかけ回される雄斗。

雄斗がキスをした理由。それは、呪いの対象を変更するためだ。

だから…仕方なくしたのだが…結果はこれだ…。


「待ってよーーーー!!ゆうとぉぉぉおおおおおおおおお!!」


「こっちに来るんじゃねぇ!この乱射魔が!!」


こうして…雄斗の第1回戦は…終幕した…。


第10魔法~クラスリーグマッチ 開幕~END

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