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夢見るアイ  作者: 玉名 くじら
第二章

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05 みんな自由だな


           *      


 「では、一週間程で完了しますので、その後に書類をお送りします。その後は上の窓口でマイナンバーカードを作ってくださいね」

 なんかすごいことをやってるんだろうけど、実感がわかない。


 「あ、そうそう。証明写真ですが、生成AIやプリクラはダメですからね」

 ユイの方を見て言う頼子さん。ギクっと驚いていたが、本当にやる予定じゃなかったんだろうな?

 そんなユイは思い出したかのように横にいる星羅と寧々を見て口を開いた。


 「じゃ、じゃあスマホ。スマホ買いに行こ?」

 「そうね」「そうですね」

 スマホを欲しがるなんて年相応だなと思っていたら、静だけがその場で立ったまま何かを思案していた。


 「どうした静?」

 「光司、わたくしは何歳に見えますか?」

 「十五なんじゃないのか?」

 「それは設定です」

 「あー、まぁしいていえば十八くらいかな。でも、別に成長早い子はいるわけだし、おかしくはないんじゃないか?」

 「そうですか。ちなみに十八なら若妻として問題ありませんよね? 制度上は」

 「真顔で何言ってんだ?」

 もう既に出しちゃってるから、修正不可能だろうに。


 静が素っ頓狂なことを言っていると、三人が慌てて戻ってきた。

 「ちょ、静あんた何口走ってんのよ」

 「そうですよ。みんな十五なんですからね」

 「静諦めなってー」

 「何をそんなに焦っているのですか? 家庭の話をしているだけですよ」

 「仮定ね。仮定。家庭って何進めようとしてんのよ」

 静は真面目にボケをかますから怖いんだよな。


 しかし、どうしてこんなに落ち着きがないんだろうな。

 このくらいの歳だとこうなんだろうか。

 振り返ると銀髪の子と金髪の子が苦笑いしており、頼子さんはサムズアップしていた。

 口パクで『後で飲み言った時に教えなさい』と言っていた。

 まぁ、行くかどうかは分からないけどな。こいつらを放っておくと危ないし。

 


 そして、四人に請われるまま来た道を少し戻り、四人分の契約をした。


 そんなにハイスペな機種いりますかね?

 静は口角を少しあげて微笑む。黒い色(チタニウム・ブラック)と髪の色が映えるね。

 「まぁ及第点ですね」

 何が及第点だよ。三十万近くもするやつ選びやがって。


 「わたくしの高性能な能力を余す事なく発揮するには、最低限の条件を満たしているだけです。本来ならば、もう少し演算リソースに余裕のある環境を要求したいところですが……現時点でこの世界に流通しているデバイスではこれが上限。ですから、今回はここで妥協して差し上げようかと」

 「……あー、そう。それはどうも。妥協してくれて助かるよ」

 そんなやりとりを見ていたのか、寧々と星羅は少し控えめだ。


 「あ、あたしは慣れ親しんだ実家感のあるものを…」

 「わたしもそうね」

 そう言いながら二人ともPROの方選んでるし。

 まぁ、自分たちのところで出しているスマホを選ぶのは当然っちゃ当然か。

 寧々は白っぽい(ポースレン)からいいが、星羅は(オブシディアン)だから静と被ってるぞ。


 「あーしの色かわいくね?」

 うん。ピンク(デザートチタニウム)可愛いな。でも金額は暴力的だぞ。というか今のスマホって高いんだな。


 まぁ、昨日の今日で大分感覚が麻痺してきてはいるんだが、すごい使ってるな。カード会社から不正を疑われて止められないだろうか?

 だがまぁ、そんなのは瑣末な事なんだよな。

 だって、店員さんの俺を見る目が疑いの目なんだもん。

 四人分の契約者は俺なんだけどさ。何をしているんですか? って目で見てくるし。きまずい。


 「では、そろそろ行きましょうか」

 「そうね。スマホケースも買いたいしね」

 お店を出るまで、ずっと疑いの目で見られていた。

 笑顔なのにな。笑顔ってあんなにバリエーションあるんだと初めて知ったよ。


 そうして引っ張られるように、昨日行った場所へ向かう。

 向かっているんだが、歩きながらスマホをいじるのはやめような?


 「おい。落としたら大変だからしまっとけって」

 「あ、そだね」

 「わたしが落とすわけないでしょ?」

 「そういうこと言ってる奴が真っ先に落とすんだぞ」

 「うっ…。そ、そうね」

 やけに聞き分けがいいな。そう思っていたら、隣に静がいたからだろう。

 きっと警戒してすぐに引っ込めたんだな。

 別に静だってそんなバカなマネはしないだろうに。

 寧々なんて大事そうに袋ごと抱きかかえてるもん。逆に危ないというかなんというか。


 しかし、昨日もここに来たんだよな。

 かなり前のことのように思えるのは、昨日一日が濃すぎたからだろうか。

 きっとこれからもそういう日が続くんだろうな。

 俺も歩く足取りが少し軽くなった気がした。


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