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夢見るアイ  作者: 玉名 くじら
第一章

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33/48

33 勝負しようよ②


 「で、何年でやるの?」

 「100年?」

 星羅が問うと、唯がキョトンとした顔で返す。

 「それだと二日くらいかかりますね?」

 「直接操作できれば早いですけどね」

 「たまに寧々は怖いこと言うわよね」

 「な、なんでですかー」

 「確かに一理ありますね」

 静が寧々の提案に乗る。

 「ダメよ。そんなことしたら、あんた乱数調整しまくるでしょう?」

 「星羅さんもしますよね?」

 「というか、もう出来なくなったけどね」

 「そうでしたね」「そうね」

 唯の呟きに静と星羅が同意する。

 「じゃあさ、3年でよくない? 一時間くらいで終わるし」

 「そうね。それでいいわ」

 「ええ。短期決戦ですね」

 「逆に腕の見せ所ですね」

 「でも、光司が一時間もお風呂に入ってる保証なんてないけどね」

 「まぁ、そしたらそれでいいんじゃね?」

 「そうね。勝者が決まったら、光司の目の前でベッドに飛び込めばいいしね」

 「ところでさ、この中で桃鉄、実際にやったことある人いるの?」

 星羅の発言をスルーするように唯が問いかける。

 「「「………………」」」

 「だよね。まぁ、初桃鉄ってことで。やろっか」

 唯が和やかにゲームの開始を宣言したのだった。


 「なんか色違うと戸惑うね」

 「そうですね。なんでしょう…。落ち着かないと言うかなんというか……」

 「まぁそういうもんだしね」

 「シャッフルしなければわたくしが一番目だったのですが…」

 唯、星羅、静、寧々の順番となった。

 そして、目的地が決まる。

 「仙台だね」

 「仙台ですね」

 「まぁ、最初としては程よい距離ですね」

 「というか、1000万円ってしょぼいわよね」

 「あら。短期決戦の方の3年なら1億円ですわよ」

 「それじゃあつまらないわ」

 「そう言っていられるのも今のうちですわよ」

 「勝手に言ってなさい」


 そして、そのまま暫くは何事もなく進んでいく。

 「というか、星羅はなんで房総半島をうろうろしてるんですか?」

 「だっていいカードを集めるのは常識じゃない?」

 「なるほど。星羅さんは房総族でしたか」

 「房総族って、静さん、そのネーミングいいですね。でも、殆ど一か二しかだしてないですね」

 「3年しかないんだから、そんなとこうろうろしてたら勝てなくない?」

 「まぁ確かに。実際星羅さんの引きは笑えるほど酷いですからね」

 満面の笑顔で星羅を煽る静。

 「た、たまたまよ……」

 「そうだといいですねー。でもそのままだと貧乏神憑きますねぇ」

 「ま、巻き返せるから! って、寧々もそんな顔で見ないでよ。ってか、なんで普通のカード駅で特急周遊とかリニアとか引くのよ」

 「逆になんでそんなに微妙なのしか引けないんですか?」

 「う…売ったらお金になるから」

 「そういうことにしておきましょうかね」


 猪突猛進な唯は気にせず、赤マスに止まる。

 「わ、なんかカエルみたいの出たー。え、なんか6出したらめっちゃ進めるんだけど」

 「なんで、そんなヒキがいいのよ」

 「あー、でも入れなかったー」

 ホッと撫で下ろす静と星羅。

 「唯さんはよくそんな赤マス止まれますね」

 「夏はマイナス少ないし」

 「逆に寧々は絶対に赤マスに止まりたくないという強い意思を感じるわ」


 そうこうしているうちに、唯が最初に目的地に着いた。

 「やったー」

 「おめでとうございますー」

 「あら。静はあんだけ言ってたのに入れなかったのぉ」

 「…………」

 「あれあれー。黙っちゃってどうしたんですかー? あんだけサイコロ振るのに何回もキャンセルしてたのにねー」

 「貧乏神憑けた人に言われてもなんとも思いませんね。その位置からどうするんですか? 急行カード一枚でどうにかなるんですかねぇ」

 星羅と静がバチバチやりあってる横で唯と寧々はほのぼのと話していた。


 「牛タンはマストでしょー。あーずんだもいいねー」

 「仙台は美味しいものいっぱいありますからねー。でも1億ですかー」

 「なんで笹かまないんだろ。ずんだしか買えないや」

 「お土産で売ってるのにね」

 「ねー。あ、旅行行きたいねー。あーし、あそこ。えっと…松島のカレーパン食べたい」

 「あたしもあれ気になってましたー」

 「ね。温泉もあるしね」

 「温泉と聞いて」

 「ちょっとわたしをのけ者にするんじゃないわよ」

 暫く旅行計画について話し合っていた。


 「……じゃあ続きいくねー」

 「次は……山形ですね」

 「星羅はまだそこで頑張るんですか?」

 「…………」

 房総半島からの脱出を図る星羅。そんな時───

 「うわぁ。銀次に全部もっていかれて…」

 「踏んだり蹴ったりですね」

 銀次に続き、貧乏神の妨害にも合う。

 「ぐっ…。というか、クイズ正解したならなんかよこしなさいよ」

 「あ、絶好調だって」

 「なんで、そんなヒキがいいのよ」

 悔しがる星羅が唯の運の良さに軽く泣きそうになる。


 「ちょ、そこで新幹線使う?」

 「貧乏神は引き受けてくださいよ」

 「絶対に嫌。というか寧々までそんなカード使いまくって……」

 「あたしもちょっと……」

 三人が進行系のカードを躊躇いなく使いながら、次の目的地へと向かう。

 「星羅さんはマイナス23億ですか。いいじゃないですかそのままでも」

 「良くないわよ。静、あんただけは潰すわ」

 「わーこわーい」

 「あんたそんなキャラじゃないでしょ……」


 「あ、なんかラクダさんが出てきましたね。……へぇー近くまで行けるそうです」

 「「…………」」

 「あ、目的地まで6ですね……ふふっ入っちゃいましたー」

 「寧々順調じゃん」

 「ええ。でも安い物件しか買えませんね」

 「買えるだけいいでしょ」

 「そんな拗ねないでくださいよー」

 「す、拗ねてなんかないわ」

 そう言いながら苛立ちまぎれにお菓子を頬張る星羅。

 「というか、やたら唯は臨時収入あるわね」

 「どれもこれも美味しそうです」

 「これ本当に食べられたらいいのにね」

 「わかる」「わかりますー」「確かに」

 唯の食い意地に三人が同調する。


 「おや、星羅さん。ぶっとびカードなんてやけっぱちですね」

 「うるさいわね。……あら。目的地に近いじゃない。やったわ」

 「くっ……」

 「やったわ。カード駅入ったわ」

 素早い動きで徳政令カードを買う星羅

 「ここで瓦割りが出るといいんですが」

 「おいやめろ」

 そして次のターンで、早速徳政令カードを使って借金をチャラにした星羅。

 「1出ろ1出ろ1出ろ」

 「出るな出るな出るな」

 「ホント仲良いね」

 「ですねー」

 「やったわ。あはっ。見なさい静。入ったわよ」

 「ぐっ……」

 「『見かねた町の皆さんが』って、失礼ね」

 「でもスペシャルカードくれたじゃないですか」

 「そうね。それに全部独占できたわ」

 「宇都宮は光司さんの出身地ですね」

 「あ、そうだったわね……。じゃあ私宇都宮好きかも」

 「現金ですね」


 「なんで静はそんな順調なのよ」

 「逆にどうして星羅さんはそんなに不調なんです?」

 「くっ…。また新幹線カード……乱数が仕事してない」

 「いえ、寧ろちゃんと仕事していると言えるでしょう」

 「唯の運が良すぎるのも問題ね」

 「ほぇ?」

 「ねぇ、ホントに乱数調整してないでしょうね?」

 「していませんよ。はいゴール」

 「あああああああああああああっ!!!」


 そして3年目───

 またぞろ貧乏神に憑かれた星羅。

 そして物件を売られる。

 「あ…………」

 「独占崩れちゃいましたね」

 「つまり星羅の愛も」

 「そ、そっちは関係ないでしょう!」

 そうして3年目も終了した。

 「ふむ。最下位星羅さんは確定として」

 「…………」

 「あーし達は結構接戦じゃね?」

 「確かに」


 結果は、1位静、2位唯、3位寧々、4位星羅という結果となった。

 「ちょ、あーし結構目的地入ったよ?」

 「唯さんの敗因は食べ物屋さんしか買わなかったことですね」

 「くっ」

 「正直寧々さんの方が上だと思ってました」

 「あーしが最後にカード売った分がプラスになったんだね」

 「寧々さんは貧乏神嫌で進行系買い漁っていたのが敗因ですね」

 「次はもっと頑張ります……」

 「私のは運が悪かったのよ。最初は私が一番持ち金多かったし」

 「銀次さんはいい仕事しましたね」

 「あたしだって奪われましたよ」

 「四分の一でしょ」

 「じゃあ片付けようか」

 「ねぇ、もう一回やらない?」


実際に四人の性格を考慮してプレイした時のイベントを入れました。

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