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夢見るアイ  作者: 玉名 くじら
第一章

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19 初めてのお買い物②


 店員さんは、不条理だなと思いながらも採寸していく。

 この肌に触れても罰せられないかとか、間違って傷をつけてしまわないかなど恐々としながら対応していった。

 「えっと…アンダーが70…トップが95…ですね」

 反則だろと思いながらもサイズを伝えていく。

 「そうなの。ありがとうございます」

 凛とした響きを纏いながらお礼を言う静に、思わず深く頭を下げてしまう店員さん。

 静は先ほどの制服を着るが、どこか小さく感じたのだった。


 続けて入ってきたのは唯だ。

 既に店員さんは疲れ切っていた。

 なぜなら、唯の制服姿を見て一気に疲れたのだ。制服の上から二つの突起が見えたからだ。

 なぜ、この子も着けていないのだろうか。

 見た目的にはそういうとことはちゃんとしていそうなのにと思っていた。

 「あの…どうして下着着けてないんですか?」

 「ん? そっちのが測りやすいっしょ?」

 「そうですね…」

 といっても、静と違ってシャツのみなので、脱がずに測れるのは幸いだった。

 きっと、この子の裸身をみたら、きっと頭がおかしくなってしまうと思ったからだ。

 「じゃあ、測っていきますね」

 「んっ…」

 メジャーを当てただけで艶かしい声が漏れる。

 もういい加減にしてほしいと思ってしまった。

 こんなの耐えられないと。理性が持たないと。

 口唇の内側を噛みながら耐える。

 「はい…アンダー70のトップ90です……」

 「まぁまぁかなー」

 まぁまぁの意味がよく分からなかった。

 それを考えていたら、いつの間にか星羅が入ってきていた。


 「ふふ…お願いしますね」

 「あ、はい。上着だけ脱いでいただければ…」

 店員さんも慣れてきた。

 案の定シャツの上からでもノーブラであることが分かった。

 「見たくないんですか?」

 そう思っていたところで、とんでもない爆弾発言をしてきた。

 「えっと、それはどういう…」

 ボタンを一つ外して、ニヤッと笑う星羅。

 一番お嬢様っぽい見た目なのに、いたずらが過ぎるなと店員さんは思った。

 「あ、ここそういうお店じゃないんで」

 「あ、ごめんなさい…」

 もしかして何かキャラを出したいのかなと、途端に心配そうにするが、自分にできることなんて何もないよなと思いながら測っていった。

 「はい。アンダー70のトップ90ですね。先ほどの子と同じですね」

 「そっか」

 ちょっと嬉しそうな顔をしていた。もしかして、無理してお嬢様をしているんじゃないかと勘違いしたのだった。


 最後に入ってきたのは寧々だった。

 「あっ…あの、よろしくお願いします…」

 「そんな畏まらなくて大丈夫ですよ」

 さっきの子と顔が似ているが、双子か何かだろうか。そう思う店員さん。

 「ちょっと生地が厚手なのでー。ごめんなさい。脱いでもらっても」

 「あっはい」

 寧々も案の定着けていなかった。

 「あの、どうして着けていないんです?」

 「無かったので」

 「………」

 これ以上聞いたらなんかよくない気がして、黙ってしまう。

 「はい。アンダー69のトップ89ですね」

 「ありがとうございます」

 上半身裸で丁寧に頭を下げる寧々。

 どうしてこの子達は一緒にいるんだろうかと考えてしまった。


 無事に採寸が終われば、後は買うだけだ。

 寧々が店員さんと一緒に試着室を出てきたときには、既にカゴいっぱいに下着が入れられていた。

 「あっずるい」

 寧々が出遅れたとばかりに三人の元へ駆け寄る。

 そんな様子を店員さんは微笑ましく見ながら、恭しく頭を下げて去っていった。

 四人の邪魔をしてはいけないと判断したからだった。というのもあるが、他の店員とちょっと共有したくなったのだった。


 「ところでみんなはどんなの選んだんです?」

 「あーしは、コージが喜びそうな派手派手なやつ。赤とか黒の光沢あるやつ」

 「わたしは唯のに近いけど、なるべくレースとか多いやつにしてるわ。この刺繍とか芸術だと思うの」

 「わたくしだけサイズが違いますからね。総合的に判断して着け心地のいいものを選んでます」

 三者三様に選んでいる。

 「ふーん。そうなんですねー」

 寧々は思った。結構自分が好きそうなやつを先に取られていると。

 被るのは良くないと考え、選ばれていないような色や柄のものを選んだ。

 「誰一人として清純なものを選んでませんね」

 静が淡々と話す。

 「なっ…。わ、私のは清純ですよ。白とか水色ですよ。ほら」

 「綿の素材が少ないなと思っただけです」

 「そういう静さんだって…」

 「私は、この絹のような肌に引っかからないものを選んでるだけですわ」

 「それを言ったら私だって…」

 「そうですね。寧々さんも綺麗ですよ」

 「はぅぅ…」

 静が寧々の顎をクイッと掴んで持ち上げる。

 そして赤面する寧々。

 そんな様子をガン無視で、下着を選び続ける二人。

 「ねー星羅ー」

 「なにー」

 「これやばくない?」

 「すごいね。フリフリがめっちゃついてるね」

 「かわいいよね」

 「確かに」

 「色違いで揃える?」

 「いいね。賛成」

 そうして光司が来るまで、制限なく選んでいくのだった。


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