16 お買い物って大変
目的のショッピングモールについた。
かなり歩いたが、話しながらだからか、そこまで辛くはなかった。ただ、結構時間がかかった。
ついた場所は、モールというより一つの街と言った方がいいかもしれない。
「はぇー。結構大きいねー」
「そうだな」
到着すると、冬だというのに、結構な人がいた。
まぁ、四人とも目立つから迷子になっても大丈夫だろうが、一般常識が欠如しているから、何をしでかすか分からないから、ちゃんと見張っていないとな。
親ってこういう気分になるんだろうか。
「あっちのおっきい方の建物なの?」
「いや、あっちは殆どオフィスしか入ってないし、用はないな」
「そっかー」
「そうですよ。あちらの建物ですよね」
「あっちはホテルですね」
「では行きましょうか」
「いやいや行きませんよ? てか、買い物に来てホテルなんて用ないでしょうに」
「えぇ…」
寧々が不満そうな顔をするが、ホテルに行って何をするというのか。アフタヌーンティーとか楽しめるかもしれないけど、それが目当てなんだろうか?
確かにあそこのホテルのは凄いし、女子なら行きたいというのも納得だが、高いんだよなぁ。
俺一人ならいいけど、五人ともなると、けっこうキツイ。
ホテルを見上げていると、クイクイと袖を引っ張られる。
「アフタヌーンティーは気になるけど、多分そっちじゃないですよ」
「せ、星羅っ…」
うん。そんな事だろうと思ってたよ。
顔を真っ赤にする寧々と少しドヤる星羅。
分かった事だけど、寧々は攻めてくるだけだからいいけど、星羅は刺してくるんだよなぁ。
「こっちだよ」
寒い外でずっと話している必要もないので、専門街のある方へと案内する。
そして、そのまま建物へ入る。
入るなり四人はそれぞれ顔を綻ばせていろんな店を眺めていた。
やはり直接見る方が新鮮なんだろう。
寧々と星羅はそれぞれ雑貨屋さんを見ていた。
「あっ、これかわいい」
「いいわね。あら、これなんていいんじゃない?」
「あ、ホントだー」
小物を手にとって話している。なんかいいなああいうの。
キツネとタヌキのキャラクターのあしらわれている雑貨を見ていた。
確かに、星羅はキツネ。寧々はタヌキっぽいかもしれない。色的には逆なんだけども。
「ほう。これはいいですね」
静はなぜか反対側の店で着物を見ていた。
いやいや、買えませんて。そりゃあ似合うだろうし、見てみたいけれども。
「確かに。この柄あーしに似合うかも」
「いえ、唯さんはこちらの方が…」
まさかユイまで一緒になって見るなんて…。
このままの流れでいくと本当に買う流れになるんじゃないだろうか?
とりあえず、小さく咳払いして振り向かせると、小さく手招きする。
流石に本気じゃなかったのだろう。そのまま素直に戻ってきてくれた。
「わたくし、普段着としていいなと考えていたのですが」
値段見てくださいよ、静さん。
ユイも頷いているけれど、どうせ着崩すだろう?
雑貨を見ていた寧々と星羅も合流し、地下一階へと向かう。
確か、案内板に地下だと書いてあったはず。
あったあったと思ったが、こうしてランジェリーショップの前に来ると恥ずかしいな。
美少女四人を引き連れた男が来ていい場所じゃない。
「じゃ、俺は他で待ってるから」
「え、支払いは…」
あ、そうか。そうだよな。支払い出来ないよな。
「そうですよ。それに意見も聞きたいですし…」
「俺に意見を聞いてどうするんだよ。そしたらみんな同じ下着になるぞ? 洗濯とかどうするんだ?」
「なるほど。一理ありますね。では、こうしましょう。光司く…光司が、赤面したものを買うのです」
「おー。静っち、それ採用。あーしも同じ事考えてた」
「いや、ダメだろ。試着して店前まで出てきちゃ…」
「あれれー。どうして試着前提なんですかー?」
「ぐっ…」
「そうだよねー。別に手に持ってもいいだけだよねー」
「ソウダネー」
「あまり、からかってはいけませんよ。そもそも、試着室の前にいてくれればいいのです」
「いいのです、じゃないよ。ただの不審者かパパ活親父じゃないか」
「恋人が下着を選ぶのを楽しむのも甲斐性ではないですか?」
もしかしてだけど、コレを狙って、態と下着着けてこなかった説あるな。
だが、流石に他のお客さんの利用もあるから、そんな事出来ない。
「三十分たったら戻ってくるから」
「「「「えー」」」」
まさかの静まで非難の声を上げた。
「いや、えーじゃないから。あと、サイズとか測るだろ? 俺がいたら店員さんにも迷惑だから。ちゃんと払ってやるから。な?」
四人ともコクンと頷いて、店内へ入っていった。
やれやれ。こうしてちゃんと聞き分けてくれると助かるんだが、四人集まると悪い方向に結託するからなぁ…。
さて、時間潰ししてきますかね。
しかし、ちゃんと見ていた方が良かったかもしれないと俺はもっと後悔するのだった。




