表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
夢見るアイ  作者: 玉名 くじら
第一章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

13/46

13 買い物に行こう②


 「そして重要な事だが…」

 これを言っていいのかどうか分からないが、言わないわけにはいかない。

 寧ろ他の三人に協力してもらいたい。

 男の俺が、女性の下着なんて分かるはずないんだから。

 深く深呼吸する。

 逆に変態だと思われないだろうか?

 意を決して口を開くが、中々勇気がいるな。


 「ユイを見てもらえば分かると思うが、下着着けてないんだ」

 「「「下着………?」」」

 まさかの予想外の反応が返ってきた。嘘だろ…おい…。

 「え、まさか…着けてらっしゃらない?」

 「データでは知ってますが、必要なんですか?」

 「あれはただの布でしょう? オス共が欲情する為の」

 「特に違和感を感じませんし…」

 「ほらぁ…」

 ユイがなぜか勝ち誇った表情をしているが、そういう事じゃないんだ。

 え、何? まさかみんな下着なしなんですか?

 いやいや。そういうのちゃんと着けるって情報ありましたよね?

 その…違和感とかはないのだろうか?

 あまりにも一般常識に偏りがありすぎる気がする。

 今のうちに知らない事を全部聞いておきたい気がするが、時間が足りない。


 「光司さんが下着好きだとは思いませんでした」

 「待って…」

 「分かりました。ここはみんなで光司君の好きな下着を買おうじゃないですか」

 「いや、あの…」

 「なんです?」

 「好きとか嫌いの前に、一般常識として、みんな着けてるんですよ?」

 「でも無い方が好きって方もいますよね」

 「うん。でも俺は違う」

 どうしてこういうところは頑ななんだ。

 このまま外出するとよくない気がする。風も強いし。


 「夏には皆さん下着姿で海とかで遊んでますし、そういうのがお好きなのでは?」

 「あれは水着というものですね。違いは分かりませんが」

 話をややこしくしないでほしい。

 「でもまぁ、調べたら結構可愛いのとかセクシーなのあるんだね」

 「なるほど。これは…興味をそそられますね」

 「素材もいろいろ…。うわっ! これなんてスケスケじゃない。着けてないのとどう違うのよ」

 「穴空いてるのもありますね。興味深いです…」

 勝手に検索して盛り上がらないでほしい。


 「普通のでいいから」

 「普通の定義とは?」

 あれ、もしかしてこれ、俺遊ばれてる?

 気がつけば四人ともニヤニヤしている。純情な童貞を弄ぶなんて酷いぞ!

 「分かっててやってるな?」

 「いえ、先ほど知りました」

 「わたしもです」「あたしも…」「あーしも」

 「まぁ、そういう事にしておこうか」


 さて、なんやかんやあって行く事になったが、ここである事に気づいた。

 いや、気づくのが遅かったくらいだ。

 俺は寝室へ向かいクローゼットから三着のコートを持ってきた。

 とりあえず、これを着てくれ。

 「コートですか…」

 「光司様のコート」

 「光司君の着たコート…」

 どうして含みがある言い方するんだ。

 「コージあーしのは?」

 「あるぞ」

 ソファにかけてあったやつを渡す。

 いやぁ、捨てずに取っておいて良かった。

 これで制服姿も隠せるし、丈も長いからちょっとの風でも靡かない。


 「あーしのが一番コージの匂いがするー」

 「そういう変な事を言うんじゃない」

 「唯さんの見た目では似合いそうにありませんね。こちらと交換しましょう」

 寧々さんがニッコリと笑って、ユイの持つコートを掴もうとする。

 「や、あーし。見た目気にしないタイプだから」

 「いや、でも…」

 「見た目を気にしないのならこちらでもいいのではないですか?」

 「いや、あーしはこれがいいの」

 「あたしもそれが…」「わたしもそれが…」

 「では、間を取ってわたくしが…」

 「「「それはない!」」」

 なんやかんや仲良いじゃないか。


 さっさと部屋を出て行こうとすると、慌ててコートを着て付いてきた。

 演技だったのだが、結果的には収まって良かった。

 「ねぇ、コージはコート無いけどいいの?」

 「ん? あぁ、スーツ着てるから大丈夫だ」

 「少し震えてますよ?」

 「大丈夫です。歩いてれば慣れます」

 それにコートは四着しか無かったし、仕事しかしてないから、冬用の防寒着は持っていない。

 車でもあれば楽なんだろうが、生憎と都内じゃ持て余してしまうし、休日はずっと家にいるから持っていない。

 寧々さんの優しさが身にしみるけど、少し恥ずかしくて顔が熱いから丁度いいとしておこう。


 エレベーターに乗り込むと周りをみんなに囲まれる。

 普段だったら、こんな体験めったに出来ないだろうな。

 「それで、どこへ向かうんですか?」

 「ああ。近くに大きなショッピングモールがあるから、そこで全部揃えてしまおうかな、と」

 「ショッピング…モール…」

 なんだろう。寧々さんと星羅さんの顔色が少し暗くなった気がする。

 初めて行くところだろうに。それとも何かスムーズに行けるように検索でもしているんだろうか。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ