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15 [地獄へのカウントダウン、序章】

お疲れ様です

週1投稿、皆さん忘れたなうでしょうね

でも気にしないでくださいね

渚はこの時間に 必ずw

(ちょっと自信ないけど)

これからも楽しんでいきますからね

のんびり、まいぺーすでね





俺とまいは、気づけば部屋の模様替えにすっかり夢中になっていた。

家具を少しずつ動かしながら、「こっちがいいかな」「やっぱりあっちかも」と言い合い、まるで昔からそうしてきたかのような自然なやりとりが続く。


そんなとき、まいが手を止めて俺の方を振り返った。


「謙、お茶にしよっか?」


その声に、俺はふっと力が抜けたように頷いた。


「そうだね。ちょっと休憩しようか」


一息ついて、部屋を見回す。

壁際の本棚の位置が変わり、ソファも少し角度がついている。見慣れていたはずの部屋が、まるで違う場所みたいだ。けれど――なぜか居心地は悪くない。むしろ、どこか懐かしくて、優しい。


「……なんか、雰囲気全然変わったなぁ」


俺が感心したようにそう言うと、まいは得意げに胸を張って笑った。


「当たり前でしょ。私がやってるんだからぁ」


その笑顔があまりにも自然で、俺は思わず笑ってしまう。


部屋の配置は確かに変わっている。けれど、今、ここに流れている空気は、あの頃と同じだった。

荒らされる前の、静かで穏やかな時間――あの安心感が、確かに戻ってきている気がした。


それは、ただの模様替えじゃない。

まいの手で、少しずつ失っていた“日常”が、確かに取り戻されてきていた。


俺の胸の奥に、優しい気持ちが広がっていく。

まいがそばにいてくれる。それだけで、こんなにも部屋の空気が変わるなんて――不思議だけど、嬉しかった。


そして俺は、そんな彼女の背中を、そっと見つめていると



「謙、なに見てるのぉ〜?」

まいがクスクスと笑いながら、少し小首をかしげて俺の顔を覗き込んでくる。

「そんなに私が可愛いからって、じーっと見つめないでよぉ〜。恥ずかしいじゃん」


その言葉に、俺は思わずふっと息を漏らすように笑った。


「……違うよ。そうじゃないって」


否定しながらも、自然と頬が緩む。

まいのその言い回し――どこか誇らしげで、自信満々なその言葉。昔から、まいはよくああやって、自分をおどけたように褒めていた。

「私って可愛いでしょ?」って、冗談まじりに笑うまいに、どれだけ救われてきたか。


あの頃と何も変わらない彼女の無邪気さが、俺の心をふいにあたたかくした。


「謙? なに笑ってるのよぉ〜?」

まいが言いながら、コーヒーカップを両手で持って近づいてくる。

口元は笑っているけれど、その表情にはどこか嬉しそうな照れが混じっていた。


その姿を見た瞬間、俺は胸の奥がじんわりとなるのを感じた。

変わったものもある。だけど――まいの中に、あの頃のまいがちゃんと生きていてくれる。


俺は思わず、顔が緩んだ

コーヒーの香りが部屋に広がった


「謙、インスタントじゃないコーヒーのお味は?」

まいが少し得意げに、でもどこか照れくさそうに問いかけてくる。


俺はその香りをもう一度ゆっくりと吸い込んでから、微笑んだ。


「うん……やっぱり香りが全然違うな。深くて落ち着くっていうか、なんかホッとするよ。まいの淹れたコーヒー、やっぱり好きだな」


その言葉に、まいはふふっと小さく笑い、俺の隣にそっと腰を下ろした。

そして、そのまま体を寄せてきて、肩にもたれかかってきた。


その仕草があまりにも自然で、そして温かくて……


「……待ってたんだぁ」

まいがぽつりと、まるでひとりごとのように呟いた。

「こんな日が、また戻ってくるのを、ずっと、ずっと待ってた」


その声には、静かな強さと、ずっと抱えてきた想いの重みが滲んでいた。


「やっと叶ったんだよ。こうやって、謙と並んで、何気ない話をしながらコーヒーを飲んで……そんな時間が、また戻ってきた」


言葉をつなぐまいの横顔は、涙ではなく、穏やかな笑顔に包まれていた。

けれど、その微笑みの奥に、これまでの孤独や不安がほんのりと透けて見えるような、そんな繊細な表情だった。


「特別なことなんて、いらないって思った。ただね、こうやって“普通”でいられることが、いちばん幸せなんだって……気づいたんだ」


俺は何も言わずに、そっと肩を寄せた。

まいの体温と、コーヒーのやさしい香りが混じり合って、今この瞬間だけが永遠に続いてほしいと願った。


まいの言葉は、まるで静かな祈りのようだった。

失って、気づいて、ようやくたどり着いた“日常”という名の小さな奇跡。

俺たちはいま、その奇跡の真ん中にいた。


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