74 お待ちかねのTSイベントだぁ!
入試が終わって屋敷に帰宅する。
「お帰りなさいセレナ」
目の前に母がいた。
「お母様!?あ、お出迎えありがとう存じます ただいま帰りました」
「ふふ、私が出迎えるのがそんなに珍しいのね 今日は貴女の試験日だったのですから出迎えくらいしますわ」
そりゃあまあ、びっくりしちゃったよ。
{いつも君の母は君の出迎えには出てこなかったもんね}
うん。それはそう。
「今日の試験はどうだったのですか? 貴女なら大丈夫だったと思いますが感触を知りたいのですよ」
「大丈夫でしたわ おそらくほぼ満点でいけると思います」
「あら、ならよかったわ」
そんなことを言いながら部屋まで歩く。
{あ、ライヒトから連絡が来てるね 部屋の伝書箱に連絡書が入ってる}
え、本当に!?というか君、伝書箱の管理どうやってるの?
{部屋の伝書箱とシャッテントゥルムの本部の伝書箱は私が転移陣でつなげてるから私に伝書箱内の書類の動きは筒抜けなのだよ}
そ、そうかい。
部屋に戻って伝書箱を確認すると連絡書が入っていた。あ、ビーネのTSイベントやる?
{明後日が都合が良いらしいな}
ほほう、じゃあ、私が本部に出向こうか。連絡しとこ。
ビーネのTSイベント当日。私はシャッテントゥルムの本部に行こうとしていた。転移で直接乗り込むか、せっかくだし徒歩で行ってみるか、迷う。
{徒歩で行くかい?}
そうだね行ってみるよ。ヴァイスの姿になって王都の下町の人気のない路地裏に転移っと。
転移した路地裏を進む。小さな家の脇の潜り戸を通り、小さな庭にある井戸の蓋を開ける。えい、っと。思いっきり枯れ井戸に飛び込む。とんっ、と着地。底の石組みを外し、地下道を進む。
{凝ったセキュリティーはここからだよ^^}
三叉路の中央を選ぶ。
{右と左は拷問部屋につながってるよ}
怖。その後もいくつも現れる分かれ道を正確に選び取り、隠し扉を顔認証で開ける。
{顔認証を導入してみたんだ^^どやああ!!}
ハイテク、え、凄い。普通に尊敬。
{褒めてくれてるのは分かるけど思ったより反応が薄くて辛}
褒めてんのに文句言うんじゃねぇ!
{あ、結局キレられた…ふんっ、もう知ーらない!ナビゲーションしないからね!}
ほぇ?そ、それは困る… …だなんて言うと思ったか?勘で乗り切ってやんよ!
{ハッ、無理だろ}
え、地味にむかつく。いいもん。自力でたどり着いてやるぅ!
結論、私は本部の部屋の前についた。
{わ、私の最恐のセキュリティーが、敗北した、だと… ヴァイス、恐ろしい子…}
引かないで?地味に傷付く。あと、最強が最恐に聞こえてきたんですけど。怖。
{まあ、その辺のダンジョンより凝った罠とかを配置してるYO^^}
ノリノリで草。
扉を開ける。
「ヴァイス、待ってた」
部屋に入ると、ビーネとグラウとライヒトがいた。
「ああ、待ってたぜ ビーネ朝からそわそわしててよぅ」
「ライヒト?それは言わない約束だよね?」
ビーネがライヒトの首を大分ガチ目に絞めてる。え、大丈夫?
「ビーネ、その辺にしてあげて ライヒトが死んじゃうから」
「グラウが言うなら、まあ、その辺にしてあげなくもないかな? …次はない」
ビーネがライヒトを解放した。ビーネさん眼光が鋭いです。
「待たせたわね、皆 それじゃあ、早速本題に入りましょう ダンジョンで性転換の水晶を手に入れたわ これをビーネに使おうと思うのだけれども、ビーネ、何か質問はあるかしら」
「あああああ、TSイベントまでたどり着かなかったぁ」と叫びを上げている作者です。
次回、ビーネTSする。