73 筆記試験
算術の試験問題を解いていく、といっても内容は小学生レベルなので前世成人していた私にとっては何てこと無い。ええと、6327÷3=2109か。簡単簡単^^そんな感じで調子よく解いていく。
おお、これで最後か。時速5.4kmで歩く人は3時間24分20秒でどれだけ歩けるかだから…5400÷60÷60×(60×60×3+60×24+20)=18390つまり18.39kmか。楽勝だったね。何せ微分積分すら出ないし複素数平面も出ないし、はあ舐めてる?え、絶対舐めてるよね。ギャグ全振り世界になりきれてない中途半端な世界線のセレナちゃんでもこれはキレるよ?
{もしかして君、前世理系?}
いや、前世文系。
二時間目、文学の試験だ。文学は教養として必用な古典作品や詩、それにまつわる修辞技法に関する問題が出題されている。算術よりは難しいのかも知れないが、本好きなら楽々突破できるね。え、最後に論述課題があったけど、まあ、書けた。うん、いけたのでは?
3時間目は歴史の試験。この王国の歴史は長い。そのため出題される範囲は広い。また、外交や、侵略するされるの関係もあるので時たま世界史のようになる。はっきり言って一番大変な科目だろう。でも、それほど深い知識を現段階で問われたりはしないので暗記する語句もやたらめったら多いわけではないからできた。まあ、時間も余ったしここらで少し仮眠でもとるか。こちとら睡眠第一健康優良児で名が通っているのだから。
{おい、寝るな というか、夜な夜なダンジョン攻略に行く睡眠不足幼女が睡眠第一健康優良児を名乗るな…って聞いてないね}
4時間目の試験科目は地理だ。王国地理を問う問題が出題される。この国が位置するのは大きな大陸の中央部だ。大陸を縦断するように国土が広がっている。北部は山岳地帯、南部は巨大な湾に面していて海がある。中央部に広がる平野は穀倉地帯で農業生産は安定している。何というラノベあるある地理なのか。easy、easy。そんな感じで地理の試験も終わった。
「セレナ、ここまでの試験、どうでした?出来まして?」
昼休憩、校内の食堂でランチを頂きながらオランジェットと話す。
「それほど難しいとは思いませんでしたわ オランジェットこそどうですの?」
「まあまあ、ですわね 文学の論述は正直減点されてると思いますわ」
「あら、それ以外は自信があるような口ぶりですわね、オランジェット」
少しからかうように微笑む。
「もうっ!セレナ、からかわないで頂戴」
怒られちゃった。でも可愛い。グヘ。
{うわ、怒られて喜んでるよ怖}
教室に戻って、5時間目は法律の試験だ。これはなかなか面白い。前世にはない階級社会ならではのことが法律には多く反映されている。叙爵に関する法律とか、徴税の法律とか、ダンジョン対策法なんてものもあって面白い。
まあ、ダンジョン対策なんて小難しい陣形とか書いてるけど全部殲滅したら良いじゃん。全く法律はややこしいよね。手続き第一主義で融通が利かないんだから。
{そういう問題じゃ無いと思うんだけど…もはや発想が脳筋だね もうさ、いっそのこと筋肉戦士とかに転職したら?発想が謎の美少女らしからぬ罪状で筋肉戦士刑に処すよ?}
止めて。
6時間目は魔術基礎論。これは魔導書を大量に読み、最近では城の図書館に納められている最新魔術論文を大量に読んだので対策はバッチリだ。正直、今回は超基礎の範囲しか出題されていないので直ぐに解き終わった。easyだね。
最後は7時間目、作法の試験だ。これが正直一番手こずった。マナーとかには爵位が関わってくる。それぞれの爵位によっていろいろ変わるしもうややこしい。貴族的な修辞技法も、この作法の試験範囲に入っているのでめんどくさい。最後の貴族的な修辞技法を使って手紙を書くという課題が正直一番難しかった。あー疲れた。
{本当に面倒な科目だよねぇ}
「それでは終了です」
試験監督がそう告げた瞬間体の力が一気に抜けた。
{君、意外と緊張してたんだねぇ}
そうかも。
何年ぶりに小学生算数の問題を調べただろうかという作者です。
距離・時間・速さの文章題って何か小学校の定番じゃなかったですか?中受はしてない人ですが中受してた友人がそういうやったら難しい速さの問題を解いてたのを横から見ていた記憶がうっっすらある。