7 隠しステージ
全く、ここどこだよ。はい、わかった。あの扉の奥でしょ。開けなかったら無理矢理引きずり込むとか礼儀がなってない。
「それで、私に何をさせたいのかしら」
そして、こんな時でも謎の美少女プレイを忘れない。これくらいでボロが出ると思っているならそれは見くびりすぎだというものだねぇ。
目の前には巨大な怪物。鑑定すると「キメラ」と出てきた。大蜘蛛の足と、ワイバーンの翼。ミノタウロスの体。首から上はエルフェ(大精霊)で6属性を操る。これ、倒したら帰れるかなぁ?
「見くびらないでちょうだい 貴方では月の輝きには届かない」
さあて、行こうか。さっさと終わらせて試着会するぞ~^^
「九電撃」
蜘蛛の足をもぎ、動きを封じる。
「氷山」
大量に放たれた火球なんかを閉じ込めて相殺。
「水螺旋」
数々の魔力攻撃を身をひねり、ひらりと躱しつつ接近し、キメラを守るように召喚されてきた4体のガーゴイルを吹っ飛ばし、
「闇鋸」
後ろに回り込みキメラの羽を捥ぐ。
最後に、バタバタともがいているキメラに対し、高く飛び上がって杖を振り下ろす。
「月攻撃」
キメラが白い光に包まれて、 消えた。
やばい、今のやばい。これまでと1撃の威力が明らかに違う。キメラは本体じゃなくて魔力攻撃に「氷山」使わざるを得なかったほど強いのに、それを1撃で…
まあ深く考えても仕方ない。宝箱開けるか。売れそうなら、売ってアクセサリーとかミステリアスアイテムを買おう^^
って、宝箱じゃない、だと・・・ 何だ?この黒い箱。見るからに禍々しい黒いオーラを放っている。
うん、私の直感だけど売れなさそうな気配がビンビンしてる。あれだ、大安売りで、90%OFF でも売れ残るような気配だ。よし、帰ろう。開けるだけ無駄だ。
踵を帰した途端に、手首に転移陣が浮かび上がり、右手が黒い箱の上部に付いた赤い魔石に触れていた。
いや、さっきから強引過ぎないか?しかも右手から魔石にどんどん魔力が吸い取られていく。ちょっと待てこのままいくと魔力がなくなる!しかし、手を離すことができない。本っ当に強引だ。
もうすぐ魔力切れになるというところで魔石から手が離れた。ふう、危ない。すぐさま回復薬を飲んで回復する。じわじわ魔力が回復していくのを感じる。
そしてふと、黒い箱を見ると、蓋がゆっくりと開き始めていたのだった。
頑張って倒したので、どうか換金できるものかミステリアスアイテムを出してください!!
蓋が完全に開ききって箱からは黒い靄が出てきた。そういう演出いいから早くアイテムを出せ!
登場人物・語句の語源
シュピラーレ 螺旋
フィンスターニス 闇
ゼーゲ 鋸
モーント 月
アングリッフ 攻撃