62 ネーミングセンスの無さよ…
さあ、呪いを解こうか。
「呪いを解く上で確認しておきたいことがあるの 貴方が生まれる前貴方に関して強く願われていたことはある？」
｛思いが強いほど祈りっていうのは通じちゃうからねぇ ああ、もう堕天使も天使もみんな殲滅してやる…｝
病んでる？
｛ハハハ、まさか、ね｝
「私に関する願い？ いや、一つ思い当たる 私が生まれる前、母はなかなか跡取りになれる子を授かることが出来ず子供を得ることを強く願っていたそうだ …問いには答えたが、これで呪いを解けるのか？」
「ええ、今のは確認よ きっとそれで間違いないでしょう 貴方に質量が無いのは、堕天使が貴方の誕生と引き換えにに貴方から質量を奪ったからでしょう」
「堕天使？神話の中で聞いたことはあるが実在するのか？」
「ええ、実在するわ 堕天使は人の願いを叶えるときにその対価としてその人や祈りに関係する人からナニかを奪う 貴方もそうやって質量を奪われたのでしょう そして奪われたものを取り返すには貴方から質量を奪った堕天使を殺すしかない」
「堕天使を殺す？ そんなこと可能なのか？」
「ええ、私なら、ね」
え、いけるよね？急に不安になってきたんだけど。
｛もちろん私が付いていながら敗北なんてあり得ないからね ああ、堕天使の特定は任せてくれ 今演算中だ｝
おお、頼もしい。さすが私の相棒
｛イエーイ！｝
イエーイ！ …やっぱ謎にテンション高いのは病んでるからなのか？
｛ふっ｝
え、何その笑い方、めっちゃ気になるんだけど。
「分かった、君を信じてみようか だが君はなぜ私の呪いを解こうとする？君にメリットは何も無いだろう？」
いいや、そんなことは無い。メリット？私の「学園でもヴァイス計画」の協力者になってくれたらいいよ！
｛何？その絶妙にネーミングセンスのない計画｝
ふふふ、説明しよう！「学園でもヴァイス計画」とは学園に入学してからも学園で謎の美少女ヴァイスとして振る舞い、より多くの人に「あの美少女は何者だ？」って思ってもらう計画だよ＾＾この計画を実行するに当たって計画の遂行時のアリバイ、授業の板書代わりにとってもらうとか諸々の協力が必要になるのだよ。その協力者としてカルドどうだろうかっていう話ですよ。
｛ほうほう、なるほど でもアリバイとか気にしすぎじゃない？｝
いいや、謎の美少女は正体が分かっては台無しなの！
｛そうですか それでカルドにはセレナ＝ヴァイスだって知らせるの？｝
まあ、協力者になってくれたら？
｛ふうん、ま、いいんじゃない｝
じゃ、そう言う方向性で進めるよ＾＾
「私のメリットは貴方に貸しを作れること、かしら 若し私が貴方から質量を奪った堕天使を消すことが出来たら貴方は私に協力してくれないかしら？」
「協力？内容は言えないのか？」
「ええ、そうね 終わってから言うわ 断ってもいいけど、そのときは協力を頼んだことは秘密にして頂戴 これで契約成立でいい？」
「ああ、構わん …頼んだ」
「頼まれたわ」
微笑んで視線を交わす。
どちらとも無く背を向けてその場を離れた。
最近この作品のギャグパートが少ない気がしている作者です。
ちょっと真面目な話パートを乗り越えたらまたはっちゃける予定。また、作品設定でも書いて雑談会でギャグ風味を補充しようかなぁ…
追記：短編に「私（幽霊）、気がついたら異世界にいました」を投稿しました。よかったらそちらもどうぞ。
