55 兄の文化祭
今日は今年から学園に通い始めた兄の文化祭を見に行く。
「おいでセレナ」
「はい、お父様」
家族で馬車に乗って学園に向かう。学園は貴族街の北にあり、貴族街の東にある我が家から向かうためには貴族街の中心にある王城を迂回して行かなくてはならないので少し遠い。
{君は私のおかげでこの世界の馬車の揺れから守られていていい身分だね}
全てシュバルツ様のおかげです。土下座感謝させて頂きます。
{そこまでしなくても…}
馬車に揺られること少し、私たちは学園に着いた。
「わぁ、広いですわ」
「ええ、セレナも10歳になったらここに通うのですよ」
今8歳だから2年後か。10歳までが長いな。
「それじゃあ行こうかヴァイヒ、セレナ」
「ええ、レーツェルの活躍を見に行きましょう」
学園はとにかく広い。たくさんの建物が廊下でつながっていてその間には庭がたくさんある。これだけ建物が多いと迷ってしまいそうなものなのに父も母もスイスイ移動している。不思議。
{貴族は全員卒業生だからね 6年も通ったら道も覚えるでしょう}
なるほど。
「レーツェルは音楽会に出ているらしいね 音楽会の会場は小ホール1だから北3棟に行こうか」
ほほう。何か父頼れる。意外。
{君ねぇ、父のこれまでの評価を知りたいよ}
何か苦労してそうな人ていう印象しかない。いつも仕事でなかなか会えないから。
{かっわいそ 娘からの評価が悲しい}
仕方ないじゃん。会わないんだから。
「お兄様ですわ!」
小ホールに行ってすぐ、兄レーツェルが舞台に出てきてヴァイオリンを構えて演奏を始めた。
{そういや君はピアノを習っているよね}
うん、嗜み程度にね。いつかピアノを演奏する謎の美少女プレイもしようか。
{君の夢がまた膨らんでるよ}
はは、いつものことさ^^
演奏はなんだかんだ終わったようだ。ああ、美少年が弾いているヴァイオリンというだけで寿命が延びそうな気がする。
{同意}
「お兄様、お上手でしたわ」
「セレナ!見に来てくれてたんだね 嬉しいよ」
はぅ!美少年の笑顔砲撃が直撃した。
{クリーンヒットだね}
「お兄様の文化祭ですもの 見に行くに決まっていますわ」
ああ、本当に来てよかった…シュバルツ君、お兄様のヴァイオリンの音源ある?めっちゃ欲しい。
{ごめん、ない…}
そんな…これを「ヴァイスとの密会ASMR」 の背景音にしようかなと思ったのに…
{ASMR諦めてないんだ}
もちろん!自分で楽しむ用だけでも作るよ!!
その後も展示を見て回ったり、模擬店を覗いたり家族で楽しく過ごした。人が多い、多いけど顔面偏差値の高い貴族子女がたくさん!しかもさりげなくいちゃついてるのを見るのが本当に楽しい!だから今だけ和解しよう、人混みよ。
{倒置法?}
あっれれ~父も母もいないぞ?
{完全に迷子だね…}
どうしようかなぁ?
後書き失礼します。
ちょっと前に八咫烏シリーズがアニメ化されて嬉しい作者です。あれは本当にいい。最新刊を心待ちにしながらアニメ鑑賞してます。雪哉推し^^雪哉達が動いてて可愛い^^
そんな作者ですが最近風邪を引きました。鼻がズビズビで気持ち悪かったぁ。
そういうわけで、風邪を引いている間の下書きがたまっていないので更新速度が落ちるかも?です。
まぁ、極力毎日投稿します。