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45  初コンタクト

 シュバルツ君、聞いて驚け!これはチャンスかもしれないぞ

 {私の話を全く聞いてないね、そして何のチャンスなんだい!?}

囲まれている子はリーベだよ!原作ヒロインで主人公の!

 {ほ、本当だ〜!ということは本編開始前の数少ないイベントの一つ、社交デビューでいじめられている回だ!}


 その通り、そしてそこに介入することで原作ヒロインからの信頼を勝ち取って好感度を稼ぐんだ!好感度があったら、ナロウ公爵家の養女になった後もいい関係を築けそう。なんせ原作ヒロインのビジュアルだよ!目の前にして私が気絶したりしたらどうする!いい関係も何もないよ!出会いは最悪ってやつじゃん!

 {そういや君のリアルへの耐性ってゴミ並だったね…}

ええい黙れ!どうせ私はリアル耐性が皆無の前世オタクですよッ!だからこその介入計画なの!

 {原作ではここで高位貴族への不信感を抱いたリーベが学園入学後のパーティーで若干パニック状態になって王子の前で倒れるんだよね}


 「もし、いじめられているようなら黙ってはいられないでしょう? オランジェット、私だけでも行くわ」

 「そういうことなら私も参ります 友人を一人で行かせるわけにもいかないでしょう」

 「ありがとう、オランジェット」

そうして、私達は庭園に向かって優雅にされど素早く足を回転させる。


 「何をしていらっしゃるのかしら よろしければその話私達にも聞かせてくださいませ」

微笑みながら、私はリーベに向かって怒鳴っていた少女に話しかける。背後から急に声をかけられた少女は驚いたようにこちらを振り返った。おお、金髪縦ロール、初めて見たわ。生で見ると毛量の多さにすごいとしか言えない。本当にドリル。

 

 「私達は分をわきまえないこの者に少し礼儀というものについて話をしていただけですわ」

 「そうです この女はあろうことかミーネ伯爵令嬢の婚約者でいらっしゃるトルペード伯爵令息に色目を使ったのです!」

取り巻きちゃんがそう主張している。なるほどねぇ。そう言われると正直リーベが悪いと感じる貴族、多いよね。貴族的感覚だと婚約者がいる異性に不用意に近づくのはアウト。

 「そうミーネ伯爵令嬢は主張していますけれども何か異論はありますか?ヘルツ男爵令嬢」

そういやリーベの家ヘルツ男爵家って言うんだった。忘れかかってたよ。

 「私は色目なんて使っていません トルペード伯爵令息が声をかけてくださったので少しお話しさせていただいただけです!」

向こうから来たとなると正直リーベは悪くない。

 「そうは言うけれど、なぜ何の関わりもなかったトルペード伯爵令息に急に声をかけられたのかしら どうせ色目でも使ったのでしょう!」

そう言ってミーネ伯爵令嬢はちょうど手に持っていたジュースの入ったグラスをリーベに向かって振り上げた。

 {なぜちょうどよくグラスを持っているんだ…}

原作の強制力、もといご都合主義だね。二次の界隈でもまあまあこのシーンについてはツッコミが続出していたんだよね。初期だから見逃してやれと言うのがファンの統一見解。


 その手を私はつかんで制止する。

 「ミーネ伯爵令嬢、何をしようとなさったのかしら」

 「っん! 何を!」

それにしても、ミーネ伯爵令嬢の主張、繋がりおかしくない?そこで色目に直結する?まぁ階級が低いリーベの方が可愛らしいから声をかけられたのだろうという推測を否定したいんだろうね。はぁ、トルペード伯爵令息、お前婚約者がいるのに軽々しい行動をするな。リーベをこんなことに巻き込むな。

 {完全に同意 美少女の顔を曇らせるとか、}

ギルティ!

 {それな}

さて、どう解決しようか。







登場人物・語句の語源

ミーネ 地雷(笑)

トルペード 魚雷(笑)

爆弾婚約者同士です。

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