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31 閑話 謎の人物

騎士団長のファルケ視点です。

1話にするには少ないかなと思ったので、セレナ視点(要はいつもと同じ)の短編も入れ込みました。

 我々王国騎士団が、魔王教の調査を命じられたのは夏になった頃のことだった。


 魔王教とは魔王を信仰する者たちの集まりで、魔王のためといいながら集団殺害を行う超危険思想をもつ団体だ。この組織、かれこれ1200年も前から存在するだけあって、逃げ足が速くてなかなか尻尾をつかませてはくれないのだ。


 そんな魔王教に関して、目撃情報が寄せられたため、我々が自ら出て、捕獲、取り調べを行う予定だった。


 それをめちゃくちゃにしてくれたのが謎の人物だった。年の頃は15,6に見える彼女は、黒いドレスに身を包み、黒い髪には黒いヴェールがかぶせられていた。彼女が動くたびに、ヴェールに付いた金の細く繊細な鎖がシャラシャラと、音を立てていたのが妙に印象に残っている。そしてその青く深い瞳に一瞬だけこちらの姿を捉えられたとき、あまりの美しさに驚いたものだ。

 

 彼女は魔王教と戦っている最中に空から降り立ったかと思うと、我々が大変苦戦していた魔王教のものを殺して消えた。助けてくれたとも解釈できるが、そのせいで今回の調査は成果なしとなってしまったのだ。

 

 そう、彼女は今思い出しても悪寒が走るほど恐ろしく強い。あの黒い鎌から放たれた光線。もしあれがこちらに向けられたら私はきっと死んでいただろう。


 そして、自らのことを闇の裁きの代行者と称していた。闇の裁きとは何なのか、代行ということは裏にもっと大きな組織が付いているのか、謎はつきない。そもそも名前すら分からないのだ。どこから調べたらいいのか…


 いまから考えても仕方ない。


 とにかく今回の調査は失敗だ。上になんと報告したらいいものか。今から悩ましい。王都への帰路につきながらそう思った。


(ファルケ視点終わり。以下セレナ視点に戻ります。)





 


 そういえばさあこないだの騎士団の人見覚えがある気がするんだよねぇ?何か小説で見た気がするんだよ。誰だったっけ?

 {記憶を探ってあげようか?私なら君がよく覚えていないところまで詳細に掘り起こせるが、}

え、本当なら頼みたい。

 

{了解^^}


 {確率が高いと言うだけの話だけど、あれは、小説の中で言う前騎士団長ファルケである可能性が一番高いよ}

え?ファルケ?ファルケって、本格的な本編開始の4年前、つまり今頃死んでるはずのキャラだよ?

 {これは推測だけど、ファルケは今回の魔王教の件で殺されるはずだった しかし、君がフィーレダンジョンにいた魔王教のものを一掃したから、生き残ったのではないかな}

なるほどねぇ。確かに小説の中でファルケは戦死と書かれていたし、その可能性が高そうだねぇ。

 {原作がいよいよ崩壊し始めたねぇ いや、もう大分崩壊してるか 主に君のせいで}

ん?何か言ったかな?シュバルツ君

 {いや何も}

結局、いつも通りのやりとりに終始するのだった。

登場人物・語句の語源

ファルケ 鷹

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