17 この少女…..まさか!
再び地下通路を進む。突き当たりに大きな扉を発見。これどうしようかな?
{ぶっ壊すか、短距離転移してすり抜けるかだねぇ}
魔力探知してみたけど、中には2人しかいないねぇ。シュバルツ君はどちらがおすすめかい?
{そりゃあぶっ壊す方だねぇ^^ 扉破壊用の魔法陣を作ったところなんだ^^}
了解!じゃあ、行ってみようか。
大鎌を構えると、刃の先に、魔法陣が出てきて、そこからあふれ出した光が扉を吹き飛ばした。なんとも豪快な壊し方である。圧倒的な強さを見せつけられるねぇ^^
吹き飛ばされた扉の先には、また、別の扉が3つ並んでいた。その真ん中の扉の前に、かわいらしい、ツインテールの少女が2本のナイフを両手に持って佇んでいた。
ハニーブロンドのツインテールは、緩く巻かれていて、肩に掛かるほどの長さ。愛嬌のある顔立ちに、少し、皮肉げな笑みを口元にたたえている。はっきり言って私の前世のネトゲのアバターに似てる。既視感を感じちゃったよ。
それより、この子を倒すのか。美少女無罪の原則を適応して、昏倒させるだけじゃだめ?
{別にいいけど 毎度君の美少女信仰には驚かされるよ}
まあまあ、おしゃべりはその辺にしてヴァイスモード入るよー^^
「そこをどいてくれるかしら?」
感情に乏しいエメラルドグリーンの瞳がこちらを捉える。
「それは無理な相談だね 僕はここで侵入者を足止めをする任務がある」
「そう 残念ね」
本当に残念だよ。この子と百合展開したかったのにね~^^しかも僕っ子だよ!たまんないねぇ。
{君は本当に何を考えて生きているんだい?}
妄想で生きているねぇ!
{そんなに自信満々に言われてもね…}
「何をぼけっとしているのかな?なら、僕から行くよ」
美少女が双刀を持って襲いかかってきた。
おっとごめんねぇ。今相手してあげるよ!鎌を持って応戦しようじゃないか!
勢いよく双刀と鎌がぶつかり合い、金属質な音を立てた。激しい剣戟の中、二人の少女は踊るような身のこなしで戦っていた。片方はワルツでも踊るように、片方は踊り子のように。
「なかなかエスコートがうまいのね 感心したわ」
「そんな余裕そうな顔で言われたら腹が立ってきたんだけど」
「あら、それは失礼してしまったわ それじゃあテンポを上げましょうか」
何がそれじゃあなのか自分でも分かってないけど、スピードアップだねぇ^^
剣戟が激しさを増してからしばらくの後、ヴァイスが少女の間合いを詰めて、狙い澄ましたように魔術を放った。
「睡眠」
少女は少し抵抗しようとしたが眠りについた。
よっしゃあ、ミッションクリア。あ、ちゃんと寝かしてあげたいから、どこか寝られるところがないかなぁ?
{破壊し尽くしといて何をのたまっているんだい…}
破壊?ってあたりがボロボロになってる!!!
{君の攻撃の衝撃波だねぇ…}
そんな..シュバルツ君、ベッドとかないかい?
{その辺の部屋をあさったらいいじゃないか}
それもそうだねぇ。とりあえず、空き部屋にあったベッドに寝かせておいた。
そういえばこの子の名前を聞いてなかったねぇ。シュバルツ君、名前とかわかったりしない?
{鑑定してみようか ただし分かるかどうかは保証しないよ}
それでもいいよ^^
おおいシュバルツ君、どうしたんだい?さっきから反応がないよ?
{なんてことだ こんなことがあるのか、いやこれを知ったらヴァイスがどうなるか考えたくもない}
おいおい一体全体どうしたっていうんだい。
{いいか、怒らずに聞いてくれ、この子は.…、この子は…男だ}
へ? それって…つまり…