161 喧嘩なら買うが?
「……んだと」
「へぇ、これは喧嘩を売られていると解釈出来ますね」
「ああ、嫉妬、お前は援護しろ 俺がこのいけ好かない奴らを打ちのめす」
おっと、おぬしら売られた喧嘩は買う派か?安心しろ私もだ。と言うわけで此奴ら倒すぞ。前衛、私。後衛、シュバルツ君。2号はシュバルツの演算を補助しろ。
〈{了解}〉
「はぁ、童共は落ち着きがないの」
「あ?色欲 お前も援護しろ」
「……分かった 精々美味くやることじゃの ああ、そうじゃ 憤怒、其方も参加せい と言うか何をしておるのじゃ……」
「?眠いから、寝ようとしてた」
天然ですかありがとうございます。ダウナー系の美少女私大変好みです。
「そっちの話し合いも終わったようね 先行くらい譲ってあげるわ」
さあ、来い!お前ら如き敵じゃない!
{そうだ!いくぞ!}
「そうかい、じゃあお言葉に甘えて、まあ直ぐにそのことを後悔すると思うけどな」
良いですね不敵な笑み^^癖だよ^^
{正直君の癖が一番の不安要素}
おい!
「それじゃあ、合わせろよ!道化!」
「誰が道化なのかな!? まあ、貴方こそ外さないでくださいよっ!」
そう言い放って傲慢は駆けてくる。黒髪に抱く王冠がキラリと輝いて紅い光を放った。同時に背後に控える嫉妬のトランプも紅く輝く。傲慢が灰色の翼を広げて荒々しくも正確な軌道で間合いを詰めてきた。
〈傲慢は身体強化系の能力持ちで、堕天使の仲でも随一の物理攻撃派なのだ〉
{そこに嫉妬の援護が入ると魔術攻撃反射が加わって強制的に物理攻撃でのやり合いになるね}
は?物理勝負とか嫌なんだけど!?
{大丈夫だよ^^狂戦士形態なら対抗できる^^}
え……あれ痛いから嫌なんだけど。
{はい、移行完了^^さあ、行け!}
い、嫌だぁぁぁぁぁ!!!!
〈迷っている暇はない!やつが接近しているのだ!主〉
わ、分かったよ!やってやるからぁぁぁあ!
手首を切りつける。一生慣れない自傷の痛みに表情を歪めながら口を動かす。
「血魔術! 殺戮の夜を統べ、全てを静謐に返せ! 『血塗れ姫の処刑鎌』!」
「血塗れ姫の処刑鎌」で鎌を手元に呼び出し、殴りかかってくる傲慢に対抗する。鎌と拳がぶつかり爆音が響いた。
え?傷一つついてない?
〈素の身体強化がかなり強いのだろう、主 我々が魔術攻撃が通る後衛に攻撃を仕掛けるのでそれまでこいつの足止めを頼む!〉
了解!持ちこたえるよ。この形態は魔力を使わないから、魔力は君たちが全部使って良いよ!
「さて、私も行くとしようか」
背後ではシュバルツ君が飛翔しながら砲撃で他の堕天使とやり合っているようだ。だが、こっちの戦況だって互角なのだ。シュバルツ君を信じて私は一度目の前の戦いに集中しようと思う。って、痛たたた。痛いぃぃぃぃぃぃ!やっぱこの形態嫌だぁぁぁぁ!
{美少女の悲鳴からしか摂取できない栄養ってあるよね^^}
こんの鬼畜悪魔ぁぁぁぁぁ!後で覚えてろよぉぉぉ!
〈鬼畜はともかく悪魔は間違って無いのだ〉
確かに。(一瞬冷静になった)