159 痛い天敵
「へぇ、中々良いじゃ無いですか、貴方にはもったいないぐらいです」
は?何この声?
「は?お前こそ、これはもったいないだろ 良いじゃん、これ俺にくれないの?」
「誰があげるものですか 仮に貴方にやるくらいならこのトランプ焼きますよ?」
「はぁ、少しは大人しく出来ぬのか?童ども」
「お前は黙ってろ、色欲 今俺はこの道化と話をしてんだよ 邪魔すんな」
「はぁ、貴方が騒がしいから私までとばっちりですよ? まあ、良いでしょう 憤怒、立ち止まってないでさっさと来なさい」
「分かった」
ちょ、ちょっと待て!?此奴ら何!?ちょ、ちょちょちょ存在感で負けてる……ヤバイ。ヤバイ。ミステリアス度で負けそう。何!?誰!?
{……此奴らは私の天敵だ}
〈ああ、このキャラ付けが痛すぎる集団もとい堕天使7人組〉
{自分から大罪級とか名乗ってるろくでもない連中}
〈元々私がいた世界の話はあまりしたことがないと思うな 私が元いた世界では私は封印を免れて天使・堕天使と一生ドンパチしてたんだよ その時にとりあえず3人ぶっ飛ばしたんだがな〉
{この世界ではまだ7人とも残っているんだよ……とりあえず最終決戦行くか}
いや、私だけ初めてエンカウントしたんだが!?何!?これは何か知ってるよムーブしたら良いのか!?ちょ、一寸私、データキャラ出来ないよ!?知らん知らん!?もう分かんない!?
え!?此奴らが堕天使サイドのラスボス7人組って理解で良いの!?
{その理解で大体あってるよ、とりあえずぶっ飛ばす 色欲以外は交代しているようだがな}
こ、交代?どういうこと!?
〈此奴らの権能は受け継がれていく感じなんだよ〉
ほぇ?分からんが?
〈とりあえずぶっ飛ばしてから説明するので、今は行くぞ〉
{ああ、行こうじゃねぇか}
さ、殺意がカンストしてるが?というか私が置いてけぼりなのおかしくないか!?この体の主、一体誰だと思ってんだよ!?私の意思は!?
「分離、双子形態移行完了」
ちょ、シュバルツさん!?勝手に実体化しないで!?話聞いてた!?聞いてねぇな!?
「久しぶりだな、色欲 お前以外は全員交代したようだが、私に勝てるのか?」
{どうせ無理だろ}
副音声(本音)に込められた殺意がカンストしてるぅぅ~~~~!
「あ、誰だ、この弱そうな女」
は?巫山戯んなこの、この、こいつ許さんが!?
う、ウルフヘア!?癖ぃぃぃぃぃ!じゃなくて許さん。
「傲慢、貴方の言い方は直截に過ぎます 少しは本音を抑える努力をしては?」
本音ってことは認めるのかよこのピエロが!
右目隠し!?好きです!!!!!じゃなくて許さん。
{おい、ビジュアルが良いからってつられるんじゃねぇ! 此奴ら、癖だけはぶっさしてくるが、攻撃は大したこと無いからな と言うか最大の問題点は的確に君の癖をぶっさしてくることまである 実力は申し分ないが君は少々その辺りが不安に過ぎるからな}
全方位に向けて煽ってる?
さて、一度まとめよう。キャラが多すぎて分かんない。初対面の人にはまず自己紹介とこの堕天使共は習わなかったのか?
〈むしろ此奴らが大人しく自己紹介してきたら不気味まであるけどな〉
……君たちは一度黙ってくれ。話が進まないから。
「はぁ、シュバルツ 血の気が多いのもよして頂戴 まずは自己紹介と行きましょう」
「……まあ、君がそう言うならね、約一人以外初めましてだからねぇ 私は悪魔公シュバルツ 久しいな色欲」
「挨拶などする様な間柄でもなかろうに まあ良い、そこの小娘、其方は何じゃ そこの靄の付き人かえ?」
靄(笑)。じゃなくて誰が小娘だよ。失敬な。
「ご機嫌よう、私はヴァイス、付き人ではなくそれの主よ 間違えないで欲しいわね」